2019年の暴力及びハラスメント勧告(第206号)

正 式 名:仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する勧告
(第108回総会で2019年6月21日採択。最新の勧告)

[ 概 要 ]

 同時に採択された同名の条約(第190号)を補足する勧告。

 1-中核となる原則、2-防止及び保護、3-執行、救済措置及び支援、4-指針、訓練及び啓発の4部23項で構成され、包摂的で統合され、ジェンダーに配慮した取り組み方法の採用・実施に際して取り上げるべき事項、国内法規の制定に際して考慮に入れるべきILOの条約・勧告、職場方針の策定に際して考慮に入れるべき項目、救済措置に含むことが推奨される事項など、条約を実施する助けになる細目が規定されている。夜間労働や孤立した仕事など、暴力やハラスメントにあいやすい職業や働き方、産業部門に対する適当な措置の採用や、移民労働者を保護する法的その他の措置を講じることも提案されている。

 第108回総会ではまた、「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する決議」と題する付帯決議も採択された。決議は、第190号条約の批准及び第206号勧告の実施を加盟国に呼びかけると同時に、ILO理事会に対し、第190号条約の幅広い批准と条約・勧告の効果的な実施に向けた包括的な戦略の策定をILO事務局長に求めるよう提案している。