2015年の非公式な経済から公式な経済への移行勧告(第204号)

正 式 名:非公式な経済から公式な経済への移行に関する勧告
 (第104回総会で2015年6月12日採択。最新の勧告)

勧告の主題別分類:未定  勧告のテーマ:非公式(インフォーマル)経済、公式(フォーマル)経済

[ 概 要 ]

 世界の労働力の半数以上が属していると見られる非公式(インフォーマル)経済では、就労に係わる権利の否定、質の高い雇用の十分な機会の欠如、不十分な社会的保護、社会対話の不在といった、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の欠如が非常に顕著に見られ、それが多く発生していることは持続可能な企業の発展や公の収入、政府の活動範囲、制度・機構の健全性、市場における公正な競争などに悪影響を与えることを認め、非公式な経済から公式(フォーマル)な経済への移行を円滑化する可能性がある政策と措置に関する実用的な手引きと戦略を示す勧告。公式な企業で非公式な仕事に従事する労働者や雇用関係が規制されていない労働者も含み、「法令上又は慣行上、公式の取決めの適用を受けていない又は十分に適用を受けていない労働者及び経済単位による全ての経済活動(不正な活動は含まない)」を非公式な経済と定義し、1)労働者の基本的な権利を尊重し、所得の保障、生計及び起業家精神のための機会を確保しつつ、非公式な経済の労働者及び経済単位の公式な経済への移行を容易にする方法、2)公式な経済における人間らしく働きがいのある仕事と企業の創出、保全、持続可能性、そして経済全般、雇用、社会的保護その他の社会上の政策の整合性を促進する方法、3)公式な経済の仕事の非公式化を予防する方法について、加盟国に手引きを提供する。移行を容易にする戦略を策定するに当たり、考慮に入れるべき12の指導原則を掲げた上で、各国の成功体験をもとに、法・政策の枠組みからデータ収集・監視まで幅広い分野にわたり、各国の多様な状況に対応する様々な取り組み方を示している

 政労使共同で勧告を完全に実施することなどを求める「非公式な経済から公式な経済への移行を容易にする取り組みに関する決議」も同時に採択された。