1935年の坑内作業(女子)条約(第45号)

ILO条約 | 1935/06/21

すべての種類の鉱山の坑内作業における女子の使用に関する条約(第45号)
(日本は1956年6月11日批准登録)

 国際労働機関の総会は、
 理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百三十五年六月四日にその第十九回会期として会合し、
 この会期の議事日程の第二議題であるすべての種類の鉱山における坑内の作業に女子を使用することに関する提案の採択を決定し、
 この提案が国際条約の形式をとるべきであることを決定したので、
 次の条約(引用に際しては、千九百三十五年の坑内作業(女子)条約と称することができる。)を千九百三十五年六月二十一日に採択する。

第 一 条

 この条約の適用上、「鉱山」とは、地下から物質を採取するためのすべての公私の事業場をいう。

第 二 条

 女子は、年齢のいかんを問わず、鉱山における坑内の作業に使用してはならない。

第 三 条

 次の者は、国内法令の定めるところにより、前条の禁止から除外することができる。
 (a) 管理の地位にあつて筋肉労働をしない女子
 (b) 保健及び福祉の業務に使用される女子
 (c) 実習の過程において坑内で訓練を受けている女子
 (d) その他筋肉労働の性格を有しない職業のため随時坑内に入る必要がある女子

第 四 条

 この条約の正式の批准書は、登録のため国際労働事務局長に送付するものとする。

第 五 条

1 この条約は、国際労働機関の加盟国でその批准を国際労働事務局長が登録したもののみを拘束する。
2 この条約は、二加盟国の批准が事務局長により登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。
3 その後は、この条約は、他のいずれの加盟国についても、その批准が登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。

第 六 条

 国際労働事務局長は、国際労働機関の二加盟国の批准が登録されたときは、この旨を直ちに国際労働機関のすべての加盟国に通告しなければならない。同事務局長は、また他の加盟国からその後通告を受けた批准の登録をすべての加盟国に通告しなければならない。

第 七 条

1 この条約を批准した加盟国は、この条約が最初に効力を生じた日から十年の期間の満了の後は、登録のため国際労働事務局長に通告する文書によつてこの条約を廃棄することができる。廃棄は、その廃棄が登録された日の後一年間は効力を生じない。
2 この条約を批准した加盟国で前項に掲げる十年の期間の満了の後一年以内にこの条に定める廃棄の権利を行使しないものは、さらに十年の期間この条約の拘束を受けるものとし、その後は、この条に定める条件に基いて、十年の期間が経過するごとにこの条約を廃棄することができる。

第 八 条

 国際労働機関の理事会は、この条約が効力を生じた後十年の期間が経過するごとに、この条約の運用に関する報告を総会に提出し、かつ、この条約の全部又は一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を審議しなければならない。

第 九 条

1 総会がこの条約の全部又は一部を改める改正条約を新たに採択する場合には、その改正条約に別段の規定がない限り、
 (a) 加盟国による改正条約の批准は、改正条約の効力発生を条件として、第七条の規定にかかわらず、当然この条約の即時の廃棄を伴う。
 (b) 加盟国によるこの条約の批准のための開放は、改正条約が効力を生ずる日に終了する。
2 この条約は、これを批准した加盟国で改正条約を批准していないものについては、いかなる場合にも、その現在の形式及び内容で引き続き効力を有する。

第 十 条

 この条約のフランス語及び英語による本文は、ともに正文とする。