1946年の船舶料理士資格証明条約(第69号)

ILO条約 | 1946/06/27

船舶料理士の資格証明に関する条約(第69号)
(1975年7月29日批准登録。2006年の海上の労働に関する条約の批准により2014年8月5日に批准廃棄)

 国際労働機関の総会は、
 理事会によりシアトルに招集されて、千九百四十六年六月六日にその第二十八回会期として会合し、
 その会期の議事日程の第四議題に含まれている船舶料理士の資格証明に関する提案の採択を決定し、
 その提案が国際条約の形式をとるべきであると決定して、
 次の条約(引用に際しては、千九百四十六年の船舶料理士資格証明条約と称することができる。)を千九百四十六年六月二十七日に採択する。

第 一 条

1 この条約は、公有であると私有であるとを問わず、営利のために貨物又は旅客の運送に従事し、かつ、この条約の適用を受ける領域において登録されている海上航行船舶について適用する。
2 この条約の適用上海上航行船舶とすべき船舶又は船舶の種類は、国内法令により、又は、このような法令がない場合には、使用者と労働者との間の労働協約により定める。

第 二 条 

 この条約の適用上、「船舶料理士」とは、船舶の乗組員のための食事の調理について直接に責任を負う者をいう。

第 三 条

1 次の諸条の規定に従つて与えられる船舶料理士の資格証明書を有する者以外の者をこの条約が適用される船舶内において船舶料理士として従事させてはならない。
2 もつとも、権限のある機関は、資格証明書を有する船舶料理士が不足していると認める場合には、1の規定の適用を免除することができる。

第 四 条

1 権限のある機関は、試験を実施するため及び資格証明書を与えるための措置をとる。
2 資格証明書は、次の(a)から(c)までの要件を満たしている者以外の者に対して与えてはならない。
 (a) 権限のある機関が定める最低年齢に達していること。
 (b) 権限のある機関が定める最小限の期間海上において勤務したこと。
 (c) 権限のある機関が定める試験に合格したこと。
3 所定の試験においては、受験者の食事を調理する能力についての実技試験を行う。所定の試験は、また、食品価値、変化がありかつ適切に均衡のとれた献立の作成並びに船内における食品の取扱い及び貯蔵に関する受験者の知識についての試験を含まなければならない。
4 所定の試験及び資格証明書は、権限のある機関が直接に、又は認められた料理人訓練学校その他の団体が権限のある機関の規制の下に、実施し及び与えることができる。

第 五 条

 第三条の規定は、この条約が当該船舶の登録されている領域について効力を生ずる日から三年を超えない一定の期間が満了した後に、適用するものとする。ただし、当該一定の期間の満了前に料理人としての満足すべき二年間の勤務の経歴を有する海員については、当該勤務に関する証明書を資格証明書と同等なものとして認めることを国内法令に規定することができる。

第 六 条

 権限のある機関は、他の領域において発給された資格証明書を承認するための措置をとることができる。

第 七 条

 この条約の正式の批准は、登録のため国際労働事務局長に通知する。

第 八 条

1 この条約は、国際労働機関の加盟国でその批准が事務局長に登録されたもののみを拘束する。
2 この条約は、次の諸国のうち九の国(登録された総トン数百万トン以上の船腹をそれぞれ保有する五以上の国を含むことを要する。)の批准が登録された日の後六箇月で効力を生ずる。アメリカ合衆国、アルゼンテイン共和国、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、デンマーク、フインランド、フランス、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、ギリシヤ、インド、アイルランド、イタリア、オランダ、ノールウエー、ポーランド、ポルトガル、スウエーデン、トルコ及びユーゴースラヴイア。この規定は、加盟国によるこの条約の早期の批准を容易にし、かつ、促進するために設けられたものである。
3 その後は、この条約は、いずれの加盟国についても、その批准が登録された日の後六箇月で効力を生ずる。

第 九 条

1 この条約を批准した加盟国は、この条約が効力を生じた日から十年を経過した後は、登録のため国際労働事務局長に送付する文書によつてこの条約を廃棄することができる。その廃棄は、登録された日の後一年間は効力を生じない。
2 この条約を批准した加盟国で、1に定める十年の期間が満了した後一年以内にこの条に規定する廃棄の権限を行使しないものは、更に十年間拘束を受けるものとし、その後は、十年の期間が満了するごとに、この条に定める条件に従つてこの条約を廃棄することができる。

第 十 条

1 国際労働事務局長は、国際労働機関の加盟国から通知を受けたすべての批准及び廃棄の登録をすべての加盟国に通告する。
2 事務局長は、この条約が効力を生ずるために必要な最後の批准の登録を国際労働機関の加盟国に通告する際に、この条約が効力を生ずる日につき加盟国の注意を喚起する。

第 十 一 条

 国際労働事務局長は、国際連合憲章第百二条の規定による登録のため、前諸条の規定に従つて登録されたすべての批准及び廃棄の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。

第 十 二 条

 国際労働機関の理事会は、この条約が効力を生じた後十年の期間が満了するごとに、この条約の運用に関する報告を総会に提出するものとし、また、この条約の全部又は一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を審議する。

第 十 三 条

1 総会がこの条約の全部又は一部を改正する条約を新たに採択する場合には、その改正条約に別段の規定がない限り、
 (a) 加盟国によるその改正条約の批准は、その改正条約の効力発生を条件として、第九条の規定にかかわらず、当然にこの条約の即時の廃棄を伴う。
 (b) 加盟国による批准のためのこの条約の開放は、その改正条約が効力を生ずる日に終了する。
2 この条約は、これを批准した加盟国で1の改正条約を批准していないものについては、いかなる場合にも、その現在の形式及び内容で引き続き効力を有する。

第 十 四 条

 この条約の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。