第346回 ILO理事会

「新しい社会契約が必要」 事務局長が演説

記者発表 | 2022/11/02
第346回理事会が10月31日、スイス・ジュネーブのILO本部で開会しました。2022年10月の就任後初めての理事会で開会演説を行ったジルベール・F・ウングボ事務局長は「世界は新しい社会契約を必要としている」と述べ、1919年に設立されたILOの創設時の価値観は今日でも同様に重要である、と訴えました。

ウングボ事務局長は「環境を尊重し保護しながら、共通の価値観である平和、社会正義、公平な経済成長、連帯をはじめとするILO創設時の価値観を守るために全力を尽くすことを誓う」とし、「仕事の世界」が破壊されかねない課題が山積する中で「社会正義のためのグローバル連合(Global Coalition for Social Justice)」が必要だと呼び掛けました。実現にはあらゆる関係者の参加を要するとした上で、「協力と集団行動を促進し、強化し…より広い多国間レベル、あるいは社会正義に関する政策一貫性のための枠組みとして機能する」よう努める、とも述べました。

理事会の会期は11月10日までで、2022年6月の第110回ILO総会で議論された、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)や社会的連帯経済(SSE)、中核的労働基準に含められた「労働安全衛生」について、さらにサプライチェーンにおけるディーセント・ワークの実現や生産性システムの促進など、47項目にわたって検討する予定です。

ILOの理事会は年3回開催され、ILOの政策やプログラム、予算を策定します。

以上はジュネーブ発英文記者発表の日本語訳です。