スポーツと移民

プロ目指す若者に「リスク知って」 ドログバが啓発

記者発表 | 2022/10/23
プロサッカー選手を夢見て性急に海外移住した結果、若者や子どもが差別や搾取、人身取引の危険にさらされる―。ILOは、コートジボワール出身でヨーロッパなどで活躍した元サッカー選手のディディエ・ドログバ氏らと、準備不足の移住がもたらすリスクを周知するキャンペーンを始めました。具体的なリスクを教え、予防するツールや助言を提供し、自らの人権について認識を深めてもらうことで、好条件の下でプロ選手を目指してもらうことが狙いです。

キャンペーンの開始を記念して、コートジボワールの首都アビジャンでは、ドログバ氏をはじめ、元コートジボワール代表選手らが集まり、勉強と自分自身を信じること、夢につけこもうとする「不正なエージェント」に耳を貸さないことが大事だと伝えました。

スター選手の登場に喜ぶ子どもたちを前に、ドログバ氏は「不正をするエージェントのせいで路上生活を余儀なくされる場合もある。試合で訪れた国で、コートジボワールやアフリカ出身で見捨てられた若者にたくさん会ってきました」と言い、「あなたを偉大な人にするのは誰だと思いますか。君たち自身です。未来は君たちに懸かっています」と激励しました。

キャンペーンの運営には、ほかにドログバ氏の財団や国際プロサッカー選手会連盟(FIFPRO)などが参加。コートジボワール国内のブアケ、サン・ペドロ、コロゴの各都市でも行われる予定です。

以上はアビジャン発英文プレスリリースの抄訳です。

集まった子どもたちを前に勉強が大切だと話すサッカー元コートジボワール代表のディディエ・ドログバ氏=コートジボワール・アビジャン