官民パートナーシップ

ILOとLinkedInがデータ洞察に関して提携

記者発表 | 2021/01/21

 持続可能性を指向する諸国の支援を目的に、ILOを含む五つの国連機関が参加する「グリーン経済行動パートナーシップ(PAGE)」はこの度、ILOを通じてソーシャルネットワーキングサービスのLinkedIn(リンクトイン)と2年間にわたるデータ洞察に関するパートナーシップ関係を構築することとしました。2021年1月15日にILOとLinkedInの間で締結された覚書に基づいて開始されたこの連携関係は、政府の意思決定の向上、環境に優しいグリーン・ジョブの促進、訓練機会の特定・提供に向けた各国政府の能力構築を目的としています。この関係は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行が提示する独特の課題への対処に対する支援などを通じて、政府、民間セクター、労使団体、市民団体が受益する部門横断的な掘り下げたパートナーシップ関係の育成を支援することが期待されます。

 LinkedInを通じて世界の労働市場の現在の姿を眺めることによって、急速に需要が高まっている技能や職業、業務に関する理解が高まると考えられます。例えば、LinkedInを通じてグリーン・ジョブを、技能を基盤としてきめ細かく理解することによって、環境に優しいグリーン・スキルへの依存が高まっているにもかかわらず、その名称からだけでは伝統的なグリーンの役割が特定できないかもしれない職業の分析を通じて新たな傾向を検出することが可能になります。性別と地域別で得られる採用傾向に関するLinkedInの補足データもまた、仕事の世界を独特の視点から眺める機会を提供します。

 ILOとの覚書締結によって今や、これらのデータを政策提案や調査研究・分析を深めるために用いることが可能になりました。グリーン・ジョブに関するPAGEの活動の枠内でグリーン経済への移行を目指す政府への支援、そして政府及び労働市場関連の制度・機構が対象を定めた技能訓練の促進を通じて労使のニーズにより良く応える助けを提供することに特に重点が置かれます。

 LinkedInとILOのパートナーシップはまた、国連環境計画(UNEP)と国際連合訓練調査研究所(UNITAR)の戦略的な協働も歓迎します。相互に補完的な両機関の任務と専門知識は、労働関連データに関する豊かな理解を、情報を得た上での政策策定や実践的な能力構築活動へ転化する助けになると思われます。

 現在、PAGE運営理事会の議長を務めるビック・バン・ブーレンILO企業局長は、資源効率が高く低炭素で環境に優しいグリーン経済への移行は労働市場に大規模な変容をもたらすであろうことを指摘した上で、新たに登場してきたグリーン部門における労働需給についての理解が高まれば、関連する技能の習得と結び付いた、より多くのより良い仕事が創出できようとの期待を述べています。

 LinkedInのカリン・キンブロー主任エコノミストは、「経済回復に向けた道をたどるに当たり、移行中の人々に低炭素で環境変動に強い仕事に関する適切な再技能習得や就労の機会が与えられることがより一層重要」であることを指摘して、将来的な人材投資を形作るリーダーらと、グリーン・ジョブやグリーン・スキルについて同社が保有する現在情報を共有することへの公約を示しています。


 以上はパートナーシップ・現地業務支援局による英文記者発表の抄訳です。