国際障害者デー

ILOビジネスと障害グローバル・ネットワーク宣言:新型コロナウイルス対応において望まれる障害者の優先

記者発表 | 2020/11/30
ビジネスと障害グローバル・ネットワーク2020年年次会合の模様(英語・2時間4分26秒)

 障害者を包摂した企業慣行・雇用政策の確保を目指す企業、非営利団体、障害者団体の集合であるILOの「ビジネスと障害グローバル・ネットワーク」は、11月30日に2020年の年次会合をバーチャル形式で開催し、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な大流行への対応においては障害者を優先すべきとの宣言を発表しました。

 宣言は新型コロナウイルスからの回復計画において障害者の問題が取り上げられることを確保するために対象を定めた行動を主流化すべきと説き、障害者の識見と経験が勘案されるよう対応措置に関して障害者と協議することを求めています。そして、障害者の採用・雇用維持に向けた公約、危機から生じる問題に取り組むに当たって企業は非差別的である必要性を再確認しています。

 現在のネットワーク議長であるレプソルS.A.社のピラル・ロハス代表は、「私たちの社会に重大な経済的影響を与えている新型コロナウイルスの世界的大流行によって、私たちは世界的に困難な時代を生きています。私たちは皆、新たな日常への適応を試みていますが、障害者にとってそれはより困難であり、ILOのビジネスと障害グローバル・ネットワークに属する企業は、誰も置き去りにせずに事業成果を達成するために、障害者を包摂した対応を促進することを公約します」と語っています。

 今回新たに2社(ネスレとスエズグループ)がネットワークに参加することが発表になりました。他にも4社(セールスフォース、LVMH、シュナイダーエレクトリック、ソプラ・ステリア・グループ)が近い将来参加する意向を表明しています。

 スエズ社のベルトラン・カミュ最高経営責任者(CEO)は、「スエズにとって、ビジネスと障害グローバル・ネットワークの憲章に署名してネットワークに参加することは、強い信念の印であるだけでなく、包摂の点で常により多く、より良くを志向する私たちのDNA」であるとした上で、「多様性は力であると信じています。自らの活動に誇りを持ち、揺るぎない価値を掲げることによってスエズチームは今、持続可能な環境を形作っているのです」と説明し、「世界中の私たちのあらゆる活動で障害者を積極的に採用し、支援する努力の継続」を約しました。

 ネスレ・グループの人事・グローバルビジネスサービスの責任者であるベアトリス・ギヨーム=グラビッシュ執行副社長は、「ILOのビジネスと障害グローバル・ネットワークの一員となり、憲章に署名することは、障害者の包摂に向けた具体的な行動を約すネスレの公約を強めるものであり、より一層多様で包摂的な文化を育む旅における新たな重要な一歩」であると述べています。

 ネットワークはコロナ禍発生以来、2冊の調査資料の発表、数々のオンラインセミナーの開催など、障害者の包摂に関する様々なイニシアチブを展開しています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。