児童労働条約

ILO児童労働条約の全加盟国による批准達成

記者発表 | 2020/08/04
ILO全加盟国による批准が達成された「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」(英語・46秒)
 ILOはその100年の歴史を通じて児童労働に終止符を打つことを常に主な目標の一つに掲げてきました。1999年に採択された「最悪の形態の児童労働条約(第182号)」は、奴隷制、強制労働、人身取引、武力紛争への徴用、売春、ポルノ制作、不正な活動、危険有害労働から子どもたちを守っています。この条約はILO全加盟国によって批准された最初の条約となりました。批准国は最悪の形態の児童労働をなくすための緊急の行動をとり、より良い未来を待っている数百万人の子どもたちに希望を与えることを約束しています。子どもたちをこれ以上待たせるべきではありません。

 ILOの歴史上初めてのこととして、全加盟国が批准した条約が誕生しました。2020年8月4日にトンガのティティルペ・ファネトゥポウババウ・トゥイバカノ大使からガイ・ライダーILO事務局長に正式に批准書が寄託されたことにより、ILO加盟国全187カ国が「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」を批准したことになりました。

 奴隷労働、強制労働、人身取引などの最悪の形態の児童労働の禁止と撤廃を求め、武力紛争や売春、ポルノ製造、そして薬物取引などの不正活動、危険有害労働における児童の使用を禁止する第182号条約は、ILOの8基本条約の一つです。基本条約とは、1998年のILO総会で採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に掲げられている原則について定めた条約であり、児童労働廃止の他に、強制労働の撤廃、労働に関連した差別の廃止、結社の自由・団体交渉権の四つの原則で構成されています。第182号条約はILOの歴史上最速のペースで批准が進み、21年で全加盟国による批准が達成されました。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、次のように語って喜びを表しています。「第182号条約の全加盟国による批准とは、歴史上初めて、今や全ての子どもが最悪の形態の児童労働から法的に保護されていることを意味します。これは奴隷労働や性的搾取、武力紛争その他の子どもの健康、道徳、精神的福祉を危うくするような不正労働あるいは危険有害労働における児童の使用などの最悪の形態の児童労働は私たちの社会に存在する余地がないことへの地球規模の公約を反映しています」。

ILO全加盟国による「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」批准に対するガイ・ライダーILO事務局長のコメント(英語・2分2秒)
 最悪の形態の児童労働に関するILOの第182号条約は、全加盟国による批准を達成した歴史上初のILO条約となりました。この歴史的な日に際し、全ての子どもが奴隷や債務奴隷、人身取引、武力紛争への参加の強要、商業的性的搾取や不正な活動への利用、危険有害労働への従事を含む、最悪の形態の児童労働からの決定的に重要な法的保護を享受することになります。これは注目すべき旅でした。1998年に「児童労働に反対するグローバル・マーチ」のハイライトとして、参加した子どもや大人の行進者がILO総会の代表団と合流し、新たな基準を求めました。そのわずか1年後、第182号条約は全会一致で採択されました。どの地域でも第182号条約と就労の最低年齢に関する第138号条約の批准は、教育、社会的保護、大人と就労年齢に達した若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を通じて児童労働に取り組む、対象を定めた事業計画をもたらしました。この結果、児童労働は2000年以降約1億人減少しました。しかしなおも1億5,200万人あまりが児童労働に従事しています。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行によって何年間もの歩みが逆転する恐れがあります。私たちはペースを上げる必要があります。国連は2021年を児童労働撤廃国際年と宣言しました。今はより一層、第182号条約の約束を果たし、あらゆる形態の児童労働に終止符を打とうではありませんか。

 シャラン・バロウ国際労働組合総連合(ITUC)書記長もこの批准を歓迎して次のように語っています。「第182号条約の全加盟国による批准はILO基準の重要性と地球規模の問題に対する多国間機関による解決の必要性を思い起こさせる時宜を得た強力な出来事です。児童労働は基本的な権利の嘆かわしい侵害であり、グローバル・サプライチェーン(世界的供給網)におけるデュー・ディリジェンス(相当なる注意)などを通じてこの条約の全面的な実施を確保するのはILO加盟国政労使及び国際社会の責務です」。

ILO全加盟国による「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」批准に対するシャラン・バロウITUC書記長による祝辞(英語・1分57秒)
 第182号条約の全加盟国による批准は歴史的に重要な記念碑的出来事です。極端な形態の児童労働がなおも人類の最悪の悩みであることは疑いようのない事実です。この条約は極度の形態の児童労働に反対する姿勢を示しています。そして実際、あらゆる児童労働の撤廃に向けた道を開いています。しかし、政府もこれを現実のものとするよう努めなくてはなりません。教育、大人のディーセント・ワーク、労働監督に投資する公約が必要です。さらに、児童労働を特定し、なくすことができるように、サプライチェーンの全体を通じてデュー・ディリジェンスを可能にするルールを整備する必要があることを私たちは知っています。1人として子どもから子ども時代を奪ってはなりません。私たちが今の世代、そして将来の世代に対してなし得る最も基本的な公約は、子どもたちが確実に子ども時代を送れ、教育を受け、機会と希望を持てるようにすることです。これは全ての人に関係することです。この歴史的な機会に際して、もう一つ思い起こして頂きたいのは、児童労働に反対するグローバル・マーチを率いたカイラシュ・サティアルティ氏のような方々のリーダーシップがこのような状況をもたらしたということです。これは行動を求める人々の運動でした。ITUCは世界中の加盟組織と共にその運動に参画できたことを誇りに思っています。ILO、おめでとうございます。ここに連帯を表明します。でも覚えておいて頂きたいのは、私たちはこの状況を記念するだけでなく、子どもたちが労働から解放され、子ども時代を送り、将来のディーセント・ワークに向けた希望を抱くことができるようにしなくてはならないということです。

 ロベルト・スアレス・サントス国際使用者連盟(IOE)事務局長も最悪の形態の児童労働に関する第182号条約の全加盟国による批准は「歴史的な瞬間」であると評価した上で、「IOEとその加盟組織は何年にもわたり、この条約の実行を支えてきました。実業界は今日、子どもの権利を尊重して商売を行う必要性を認識しており、実際にそれに関する行動を起こしています。これは新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行の時代において、一層急を要する事項です。最悪の形態の児童労働に対する戦いの後退を許してはなりません。結束すれば、あらゆる形態の児童労働の終焉に向けて取り組むことができるでしょう」と述べています。

ILO全加盟国による「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」批准に対するロベルト・スアレス・サントスIOE事務局長による祝辞(英語・1分8秒)
 ILOの最悪の形態の児童労働条約の全加盟国による批准について、IOEはILOと国際社会に祝意を表します。これは歴史的な偉業であり、使用者らは1999年の採択以来、これを支持してきました。しかし、これは活動の終着点ではありません。政労使、そしてILO自体も共に、条約の尊重と実施の確保に向けた活動を続ける必要があります。達成されたあらゆる進歩にかかわらず、現状は全く異なるからです。コロナ禍が経済を混乱させている中、子どもたちは一層危険にさらされています。コロナ禍が児童労働の後退を招かないよう、私たちは一層監視の目を光らせる必要があります。そのような事態を許してはならず、子どもたちの保護、安心と楽しさに満ちた子ども時代の維持に焦点を当て続けなくてはなりません。かつてネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領がおっしゃられたように、子どもの扱い方以上に社会の魂を鋭く示しているものはないのです。

 ノーベル平和賞の受賞者であるカイラシュ・サティアルティ氏は、「私は安全な子どもと安全な子ども時代で満たされた世界を夢見ています。一人ひとりの子どもが子どもであることの自由を享受するような世界を夢見ています」と語っています。全加盟国による批准は、氏の願望の具体化に向けた新たな一歩であると言えます。

ILO全加盟国による「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」批准に対するカイラシュ・サティアルティ氏による祝辞(英語・2分20秒)
 ILOの最悪の形態の児童労働条約の全加盟国による批准が達成されたこの歴史的な日に際し、187カ国の国民と政府、とりわけトンガ、そしてまたILOにおめでとうと申し上げます。1998年に103カ国から「児童労働に反対するグローバル・マーチ」に参加したB.ルシア、コーカン、ゴビンド、ジョハンナといった私の数百万人の子どもたちの勇敢な顔と大声で唱えたスローガンが思い出されます。第86回ILO総会の演壇に立った子どもたちは児童労働に反対する国際法を要求しました。この遺産が今日の祝福につながっています。あれ以降、私たちは多くの勝利を祝ってきましたが、同時にまた、一つの世代を丸々、奴隷制度で失いました。これ以上失われる世代を出してはいけません。全加盟国による批准は全世界的な説明責任の時代をもたらさなくてはなりません。現下のコロナ禍と危機が世界中で児童労働の大幅な増加をもたらすことは疑いがありません。これは巨大な課題ですが、乗り越えられないほどではありません。国連は2021年を児童労働撤廃国際年に指定しました。これは子どもたちを政策、資金、集団的な緊急行動において優先させる機会を提供します。私は生きている内に児童労働の終焉を目の当たりにできると約束しましょう。皆様一人ひとりが児童労働をなくす戦いに参加してくれることを期待します。奴隷制のくびきは自由を求める力より決して強くないことは自明の理りなのですから。

 小保方智也国連特別報告者(現代的形態の奴隷制担当)からも第182号条約を批准したトンガとこの条約の全加盟国による批准を達成したILOに祝意を表するメッセージ動画が届きました。

ILO全加盟国による「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」批准に対する小保方智也国連特別報告者(現代的形態の奴隷制担当)による祝辞(英語・1分8秒)
 ILOの最悪の形態の児童労働条約を批准なさったトンガ、そして最前線で児童労働と戦ってきたILOにもこの条約の全加盟国による批准を達成されたことについて祝意を表明したいと思います。疑いなくこれは重要な画期的出来事ですが、世界中で数百万人の子どもたちが搾取され続けているという事実は残るわけです。したがって私は全てのILO加盟国に対し、持続可能な開発目標8、とりわけ2025年までにあらゆる形態の児童労働に終止符を打つことを各国に求めるそのターゲット8.7の達成に向けた集団的な公約に留意され、ILOや市民社会、企業部門などといった関連するあらゆる利害関係者と協力の上、あらゆる形態の児童労働の根絶に向けた努力を強化されることをお願いします。

 児童労働は1919年のILO創設以来の中核的な懸念事項です。アルベール・トーマILO初代事務局長は、児童労働について、「人間の心に最も耐え難い害悪を構成する子ども時代の搾取であり、社会立法における真剣な作業は常に、子どもの保護から開始されます」と表現しています。

 児童労働はILO最大の開発協力計画の一つである児童労働・強制労働撤廃国際計画(IPEC+)が焦点を当てている分野であり、世界5大陸100カ国以上の国々に支援を提供しています。児童労働者は世界全体で1億5,200万人と推定され、うち7,300万人が危険有害労働に従事していると見られます。児童労働全体の7割が農業で見られ、ほとんどが貧困や親がディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を見つけるのが困難なことに関連して発生しています。第182号条約、そしてもう一つの児童労働関連条約である就労の最低年齢に関する第138号条約の批准率が順調に上がり、各国が効果的な法や政策を策定する中、2000~16年の期間に児童労働は最悪の形態のものを含み、約4割減少したものの、近年は、とりわけ最も低い年齢層(5~11歳)と幾つかの地域で歩みの鈍化が見られます。新型コロナウイルスの世界的大流行によってこの進展の年月が逆戻りし、適切な行動が取られない限り、児童労働が20年ぶりに増加する可能性があります

 「2025年までにあらゆる形態の児童労働に終止符を打つ」ことは、2015年に国連全加盟国が採択した持続可能な開発目標ターゲット8.7に含まれています。このターゲットの達成を目指し、児童労働、強制労働、人身取引、現代の奴隷制の撲滅に向けた歩みの調整、革新、加速を図るために結成された世界的なパートナーシップであり、ILOが事務局を務める8.7連合の下には、250以上のパートナー、21の草分け国が集っています。第182号条約の全加盟国による批准は、子どもたち一人ひとりがどこにいようとも最悪の形態のものを含む児童労働から自由であることを確保しようとのILO全加盟国の意思を表しています。

 この画期的な出来事は2021年の児童労働撤廃国際年の幕開けにわずか数カ月先んじて達成されました。国際年の目標はこの問題について啓発し、進歩のペースを速める助けを提供することですが、ILOは他のパートナーと共にこの活動を主導していきます。

 8.7連合のアヌーシェ・カルバル議長からも第182号条約の全加盟国による批准達成を祝しつつ、この機を捕らえて持続可能な開発目標(SDG)のターゲット8.7に沿って2025年までにあらゆる形態の児童労働を根絶することを呼びかけるメッセージ動画が届きました。

ILO全加盟国による「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」批准に対するアヌーシェ・カルバル8.7連合議長による祝辞(英語・2分15秒)
 「最悪の形態の児童労働条約(第182号)」の初の全加盟国による批准を祝うことができる本日は、歴史的里程標に当たります。これは政労使の三者構成原則と社会対話が独特のツール、堅固な国際労働基準を策定する手段、世界中の規範枠組みを具体的に変える手段、そして最も重要なこととして、人々の社会正義に向けた探求に実際に具体的な形で対応する手段となり得ることを示す注目すべき証拠です。
 まずはILO、その加盟国、社会的パートナーである労使団体の活動と尽力におめでとうと申し上げたいと思います。さらにまた、児童労働の撤廃が現実のものとなるよう確保するために全力を尽くし、日々動員を図ってきた市民団体の疲れを知らぬ取り組みについても強調したいと思います。
 この第182号条約の全加盟国による批准は、子どもの基本的な権利の保護に関する世界の合意の力強い表明です。これは世界中のあまりにも多くの人々にとっての希望の源です。国際基準の効率性を示し、この機を捕らえてSDGターゲット8.7に従って2025年までにあらゆる形態の児童労働の撤廃に向けた取り組みを強化することが私たちの次の責任です。
 そのためには決然と行動すること、共に行動する必要があります。こういった理由から8.7連合は力を合わせる用意がある政府、社会的パートナー、企業、非政府組織(NGOs)、国際機関などのあらゆる当事者の結集を図っているのです。2021年は児童労働撤廃国際年に当たることに鑑み、連合に参加して私たちの取り組みに貢献して下さることを皆様にお願いする次第です。宜しくお願いします。

 子どもたちや元児童労働者から条約の実施を呼びかけるメッセージも届けられました。家族を支えるために早くから働き始めたユシフ君は、e-ラーニングを利用できずに新型コロナウイルスのせいで学習の機会を失いました。

児童労働に関するヨルダンのユシフ君のメッセージ(アラビア語・英語字幕付・1分2秒)
 ヨルダンのユシフ・アブドゥラ・アブ・アルヌール君(16歳)は家族の暮らしを助けるために早くに学校を後にして働き始めることを余儀なくされました。仕事中には将来に恐怖を感じさせる劇的な出来事にも遭遇しています。教育がより良い未来をもたらすと信じているユシフ君は後に学校中退者センターに通い、読み書きを学び始めました。これは楽しかったのですが、新型コロナウイルス(COVID-19)のせいでe-ラーニングを利用できないユシフ君は学ぶ機会を失うことになりました。ユシフ君の世界の指導者に対するメッセージは、教育を支えられるよう将来的により良い仕事の機会を家族に提供してくれること、そして世界の子どもたちに対するメッセージは読み書きができるようになるためには決して教育の機会を失うことなく、教育を追求することです。

 現在は「環境に優しいキリスト教団体」で事業担当者として働き、ILOの「教育、アート、メディアを通じた児童の権利支援(SCREAM)プログラム」の促進役の資格もあるモリーさんは、世界中の指導者に向けて行動を起こすことを訴えています。

児童労働についてのウガンダのモリーさんのメッセージ(英語・1分1秒)
 ウガンダのモリー・ナミレンベさん(27歳)は、両親の死後、11歳の時に茶園で働き始めました。大人の働く能力や農業への従事を断つ新型コロナウイルス(COVID-19)は最終的に親が子どもの面倒を見られなくなる事態を引き起こし、子どもが自分で何とかやっていくよう労働に押しやるため、児童労働に従事する子どもを増大させる可能性が高いと指摘するモリーさんは、世界中の指導者に対して、保健、教育、食料救済などの基礎的な社会的サービスの提供に加え、新型コロナウイルスの流行中のみならずそれ以後も企業の営業努力を支え、雇用の安定性保障に焦点を当てることを呼びかけ、今はより一層、皆で子どもを児童労働から守ろうと訴えています。

 14歳の時に性的、心身的な搾取を受けた子どもたちの中で生き残った数少ない1人であるモニケさんは、新型コロナウイルスの時代に子どもの搾取の危険性が高まっていることに注意を喚起し、手を差し伸べてあげるよう訴えています。

児童労働についてのブラジルのモニケさんのメッセージ(ポルトガル語・英語字幕付・1分25秒)
 ブラジルのモニケ・フロールさん(26歳)は14歳の時に性的、心身的な搾取を受けた子どもたちの中で生き残った数少ない1人です。新型コロナウイルス(COVID-19)の時代には、多くの子どもが性的・身体的な搾取、あるいはそれ以外の目的で搾取を受けているため、目を開いて監視し続けるようモニケさんは警鐘を鳴らしています。
 子どもたちは私たちの未来です。こういった人々を助けなくてはなりませんと語るモニケさんは、子どもの頃、自分にはそのような助けがなかったけれど、ウイルスの流行の中でより一層求められている助けを提供すること、立ち上がり、対策を強めることを呼びかけています。さらに、来年は児童労働撤廃国際年であるため、この問題に焦点を当てることを提案しています。また、搾取を受けた子どもたちの多くが生き残ることができない事実に注意を喚起し、機会があれば手を差し伸べてあげるよう訴えています。
 自分が生き残った人間であると知らせる機会を与えてくれたことに感謝の言葉を述べるモニケさんは、とりわけ困難なこの新型コロナウイルスの時代に、より多くの子どもが生き残ることへの望みを語っています。

 ソニアさんは家庭の事情で学校を中退しましたが、ILOの支援の下、美容師になる訓練を受けました。

児童労働についてのコートジボワールのソニアさんのメッセージ(仏語・英語字幕付・43秒)
 コートジボワールのムバット郡エフイクロで暮らすブロウ・ソニアさん(24歳)は、親の事情で子どもの頃に学校を中退しなくてはなりませんでした。ILOの支援の下、美容師の訓練を受けて独立できる職業に就くことができ、シドニー理髪店で働いていたものの、新型コロナウイルス(COVID-19)のせいで店が休業したため、美容師を辞めて、今は生活のためにある夫婦に料理を作る仕事をしています。

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。