お知らせ:人身取引反対世界デー

強制労働と公正な人材募集・斡旋に関する報道機関向けILOツールキットを人身取引反対世界デーに発表

記者発表 | 2020/07/29
人身取引反対世界デー記念世界のジャーナリストの証言集及びセミナー模様

 ILOは7月30日の人身取引反対世界デー当日、オンラインセミナーを開催し、強制労働や公正な人材募集・斡旋について記者の方々が報道する助けになるものとして、報道機関向けツールキットを発表します。

 日本時間午後9時~10時15分に開かれるセミナーには、ミシェル・レイトンILO労働力移動部長、ミカエレ・デ・コックILO就労基本原則・権利部評価ユニット長、ソフィー・フィッシャーILOコミュニケーション・広報局上級広報官、アヌーシェ・カルバル8.7連合議長、シルバナ・カプッチオ・イタリア労働総同盟(CGIL)上級役員、マティアス・ソーンズ国際使用者連盟(IOE)副事務局長、アナ・サントス・ラップラー記者(フィリピン)、アグネス・イゴイエ人身取引防止国家副調整官(ウガンダ)、バニ・サラスワチ・マイグラント=ライツ共同編集者兼事業部長(インド/カタール)、レオナルド・サカモト・ヘポールテル・ブラジル会長、現代奴隷専門米国人フォトジャーナリストのリサ・クリスティーヌ氏、メディア専門家チャールズ・オーサマン氏といった、人身取引問題を扱う報道関係者、政労使、ILO職員などが参加します。セミナーは英語で行われ、録画されます。

 『Reporting on forced labour and fair recruitment: An ILO toolkit for journalist (強制労働及び公正な人材募集・斡旋に関する報道のための記者向けILOツールキット・英語)』は、強制労働や公正な人材募集・斡旋といった事項に関する質の高い報道作品の制作、専門ジャーナリスト・ネットワークの構築・強化、報道関係者向け研修・アウトリーチを展開する任務及び能力を有する機関とのパートナーシップの構築を支援することを目指しています。報道機関の味方となるような移住に関する語彙集や報道作品向上に向けた具体的なヒント、記事アイデア集なども含まれています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

◎ワグネル・モウラILO強制労働親善大使メッセージ

 人身取引反対世界デーに向けた動画も制作されています。ジャーナリストの経験があるワグネル・モウラILO強制労働親善大使は、『強制労働及び公正な人材募集・斡旋に関する報道のための記者向けILOツールキット』を活用してこの問題の防止に貢献しようと呼びかける次のようなメッセージを発表しています。

人身取引反対世界デーに際してのワグネル・モウラILO強制労働親善大使メッセージ(英語・1分21秒)

 いまだに2,500万人近い男女や子どもが人身取引の被害者や債務奴隷となり、奴隷のような状態で労働を強制されています。こういった人々は通常、人の目から隠されていますが、新型コロナウイルス(COVID-19)はこのように最も脆弱な人々にも影響を与えており、実際、仕事を失って貧困や絶望的な状況に陥り、当然ながらより一層搾取に弱い人が増えることによって、強制労働がさらに増す可能性もあります。強いマスコミ、このように極端な人権侵害に光を当てる報道機関、被害者やその家族を守るような報道を通じて声なき人々に発言の機会を与えるような責任ある報道機関が必要です。社会人の第一歩をジャーナリストとして踏み出した私自身、責任ある報道は世論に情報を与え、強制労働に対処する政策を支え、強固な法の執行に向けて圧力をかけることができると信じています。どうか『強制労働及び公正な人材募集・斡旋に関する報道のためのILOのツールキット』に目を通してください。あなたの報道が人の命を救う可能性があるのです。