新型コロナウイルスと国際労働基準

公衆衛生の危機において国際労働基準が重要な理由

 ILOは自由、公平、安全保障、尊厳といった条件下で、男女を問わず全ての人々が生産的なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を得ることを奨励する国際労働基準体系を維持しています。コロナウイルスの急激な流行という危機に対応するに当たり、これは持続可能で公平な回復に焦点を当てた、試行を経て信頼を勝ち得た政策対応基盤を提供するものです。

公表:2020年3月27日|英語・1分16秒

 ILOは人々が自由、公平、安全保障、尊厳といった状況下で生産的なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を得る機会を促進するために、主として条約と勧告からなる国際労働基準体系を維持しています。これは新型コロナウイルス(COVID-19)危機に際しても意味があるものです。国際労働基準は187のILO加盟国の政労使の交渉によって生み出された、働く上での基本的な原則と権利を定める法的文書です。仕事の世界における課題を克服する対話を促進することによって信頼の風土を形成し、平時のみならず例外的な状況下における就労取り決めも規制し、失業を回避して所得水準を維持するのを助け、危機によって仕事を失った人々に起こる事態を規制し、受給資格のある給付や扶助の設計を助け、労働者の安全性を保つ労働安全衛生基準、保健医療労働者、家事労働者、移民労働者、船員などの特定の種類の労働者の保護を定めています。国際労働基準は、持続可能で公平な、人間を中心に据えた取り組みに焦点を当てた、試行を経て信頼を勝ち得た危機対応のための基盤を提供しています。

 ILO国際労働基準局は、新型コロナウイルス危機に対応して雇用喪失の回避や危機対応、所得水準の維持、労働安全衛生、差別の防止や差別からの保護、プライバシーの保護、休暇資格や特別の就労取り決め、非常時の柔軟性、保健医療労働者や家事労働者といった特定の労働者や産業部門に関連する基準など、危機に関連した国際労働基準についてまとめた資料を作成しました。