第108回ILO総会テーマ別フォーラム

第108回ILO総会テーマ別フォーラム:児童労働撲滅に向けた活動のステップアップを呼びかけ

記者発表 | 2019/06/13
児童労働に関するフォーラム模様。写真録画動画もご覧になれます。

 6月12日の児童労働反対世界デーのイベントとして翌13日に開かれた第108回ILO総会の最初のフォーラムは「共に進もう、児童労働のない、より明るい未来に向けて」と題し、「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための即時の効果的な措置の実施、児童兵士の募集と使用を含む最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃を確保し、2025年までにあらゆる形態の児童労働を撲滅する」ことを求める持続可能な開発目標(SDG)のターゲット8.7に向けた行動を加速化する方法の検討などを行いました。参加者は仕事の世界の大規模な変容によってもたらされている幾つかの課題に光を当てると共に児童労働撲滅に向けた行動の強化を呼びかけました。

 開会演説を行ったガイ・ライダーILO事務局長は、児童労働の撤廃はILO創設以来の最優先事項であることに注意を喚起した上で、ILO史上初めて無投票で交渉が行われ、全会一致で採択された「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」の全ILO加盟国による批准があと一歩に迫ってきていることを報告しました。そして、児童労働者の数が2000年より9,000万人減ったことを評価しつつも、いまだに1億5,200万人の児童労働者が存在し、うち7,300万人は危険有害労働に従事していることを挙げ、SDGのターゲット8.7の達成に向けて活動をスケールアップし、進歩の速度を速めようと呼びかけました。

 パネリストの1人であったウガンダの若手運動家モリー・ナミレンベさんは、両親を亡くした後、姉と共に紅茶園で児童労働者として働いた経験を紹介しました。時には空腹なままで、12時間も働いたとの証言は会場に強い印象を与えました。

デイリーショーのインタビューを受けるナミレンベさん(英語・12分17秒)

 基調講演を行ったアムネスティ・インターナショナルのクマラン・シャンムガン・ナイドゥ事務総長は、「児童労働の現象だけでなく、これほど高い代償を払って子どもが働くことを推進する仕組みそのもの」を見る包括的な取り組みを提唱しました。

 討議には7人のパネリストが参加しました。ブラジル中央統一労働組合(CUT)のジュネイア・マルチンス・バチスタ女性書記は、家事労働者や農山漁村の労働者として生計を立てている女性の状況を改善する必要性を指摘し、「大部分が女性であるこういった大人が人並みの暮らしを送れるように力を付けさせること、つまり、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)によって児童労働を撤廃できるかもしれません」と提案しました。アフリカ児童政策フォーラムの創設者として事務局長を務めていたアセファ・ベケレ氏は、子どもを公共政策の中心に据えるような、美辞麗句と行動の空隙を狭めるために必要な類いの政策を開始するには何が必要かが「大問題」と指摘しました。国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)のスー・ロングレー書記長は、「封建的な地主と奴隷制」がまだ現実に存在することを指摘し、カギを握る問題、加速のカギを握る要素として「農山漁村地域における根本的な権力不均衡の問題に取り組むこと」を挙げました。ケニア使用者連盟のジャックリーヌ・ムゴ事務局長は、「貧困、非公式(インフォーマル)性、若者の教育機会の欠如」という体系的な問題と根本原因に取り組む必要性を強調しました。ウズベキスタンのタンジラ・ナルバエワ副首相は、児童労働条約の批准だけでは仕事を半分しか終えたことにならず、「必要なのは児童労働現象に対する人々の認識と心構えを変えること」と指摘しました。イタリアのチョコレートメーカーであるフェレロのフィリス・コン・ワイ・ユエ人権・責任ある調達専門家は、労働法の執行や子どもを保護する、より強い政策を要求することは、「企業の利益にかなう」と説明しました。

 パネル討議に続き、児童労働撲滅における子どもと若者の役割についての証言を紹介する音楽イベントが行われました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。