海上の労働に関する条約
海上の労働に関する条約特別三者委員会:海賊に捕らえられている間も賃金の支払いを受けられるよう、条約改正案を承認
2018年4月23~27日にジュネーブのILO本部で開かれた「2006年の海上の労働に関する条約第13条に基づき設置された特別三者委員会第3回会合」は、海賊や武装強盗によって船舶が襲撃され捕虜になった間も賃金その他の資格に関し、船員の雇用の継続が確保されるよう、提案されていた条約改正案を承認しました。条約規定に従い、この改正は、2018年5月28日から開かれる第107回総会に承認を求めて提出されます。
これは、「船舶に対する武装強盗や海賊の行為の結果として、船員が船上または船外で捕虜になった場合、船員の雇用契約、関連する団体交渉の合意、適用される国内法に基づく賃金その他の資格」に関する支払いが続けられるよう、船員の雇用契約に関する第2.1規則、賃金に関する第2.2規則、送還に関する第2.5規則の関連する規定を改正するものです。
コリンヌ・バルガILO国際労働基準局長は、これまで条約で取り上げられていなかった船員の具体的なニーズを扱うこの改正の採択プロセスにおいては、「政労使の三者構成原則と社会対話」が重要な役割を演じたと評価しました。現在、世界海事大学の学長を務めるクレオパトラ・ドゥンビア=ヘンリー前ILO国際労働基準局長も、「この改正は、これが提供する法的確実性と今日の世界において最も恐ろしい犯罪に直面した船員とその家族に差し伸べる保護の二つの点で非常に重要」として、改正の承認を歓迎しました。
日本を含む86カ国が批准する2006年の海上の労働に関する条約は、世界の船舶の約9割に適用されています。
以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。