官民パートナーシップ

ILOと北欧企業ストラ・エンソ社がディーセント・ワークの促進、児童労働の撲滅に向けてユニークなパートナーシップを形成

記者発表 | 2015/04/22
ストラ・エンソ社のテルヒ・コイピヤルビ・グローバル責任担当副社長(写真左)とユルゲン・シュベットマンILOパートナーシップ・開発協力局長

 ILOはこのたび、北欧に拠点を置くグローバル製紙・木材企業のストラ・エンソ社と、同社のパキスタンにおけるバリューチェーン(価値連鎖)での児童労働の漸進的な撤廃、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進に向けた取り組みとグローバルな方針の強化をILOが支えるユニークな官民パートナーシップを構築しました。

 この協定は、同社の方針と実務を国際労働基準に揃え、児童労働その他の労働に係わる権利に関する同社の知識向上に重点を置くグローバル要素と、パキスタンにおける同社の合弁事業ブレー・シャー・パッケージング(BSP)社のバリューチェーンにおける児童労働の撲滅及びディーセント・ワークの促進を目指すローカル要素の二つで構成されています。前者の分野における最初の活動として、ILOは児童労働その他の労働に係わる権利に関する同社の方針と相当なる注意の強化に向けて技術支援を提供します。このパートナーシップは、今年に入ってから発表された同社の人権評価から見出された事項に取り組む活動を補完するものにもなります。パキスタンにおける最初の活動は、ストラ・エンソ社、ブレー・シャー・パッケージング社、ILOその他関連する利害関係者が参加して行うプロジェクトの設計作業となります。プロジェクトには、調査研究やブレー・シャー・パッケージング社の従業員研修に加え、コミュニティー介入のパイロット事業、バリューチェーンにおけるディーセント・ワークの主流化に向けた技術支援などが含まれる予定です。

 ムサ・ウマルーILOガバナンス・三者構成原則局長は、パキスタンにおける児童労働の撤廃とディーセント・ワークの実現にとって重要な貢献となり、ストラ・エンソ社がそのバリューチェーン全体を通じて労働者の基本的な権利を尊重する姿勢を示す努力を支援することになるこのパートナーシップの締結を「非常に喜ばしい」と評価しています。ストラ・エンソ社のカール=ヘンリク・スンドストロム最高経営責任者(CEO)は、このパートナーシップを自社の業務とサプライチェーン内で「人権と労働者の権利を高める上での重要な一歩」と位置づけ、ILOとの協力は、同社が社内の知識を増やし、地元のネットワークを構築し、政府その他の地元の利害関係者と協力してプラスの変化をもたらすことを手助けすることになろうと期待を示しています。

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 以上はジュネーブ及びヘルシンキ発英文記者発表の抄訳です。