2000年の母性保護条約(第183号)

正 式 名 : 1952年の母性保護条約(改正)に関する改正条約
(第88回総会で2000年6月15日採択。条約発効日:2002年2月7日。最新の条約)

日本の批准状況:未批准  ◆批准国一覧(英語)

条約の主題別分類:母性給付、母性保護  条約のテーマ:母性保護

[ 概 要 ]
1952年に採択された母性保護条約(改正)(第103号)を改正する条約。
第183号条約は原則として、非典型的な従属的形態の労働者を含む全ての女性被用者を対象とし、母性保護と母性を理由とした差別の禁止を規定する。母性休暇(出産休暇)は最低14週間に延長され(第103号条約は12週間)、新たに母子の健康保護に関する規定(妊娠・哺育中の女性を、健康を損なう危険のある業務に就かせない)が加わった。出産休暇は6週間の強制的な産後休暇を含み、出産が予定日より遅れた場合、妊娠または出産に起因する疾病、併発症の場合には延長されるものとする。休業中の女性は現金及び医療給付を受けるものとするが、現金給付の水準は、原則として、従前所得または給付計算のために考慮される所得の3分の2を下回ってはならない。現金給付は強制社会保険、公的基金または国内法及び慣行で定める方法を通じて付与されるものとし、例外的な場合を除き、使用者が個々に負担するものではない。妊娠、出産休暇または国内法が定める復帰後の一定期間中に、使用者が雇用を終了することは、妊娠・出産・哺育以外の理由である場合を除き違法とされ、解雇理由が母性と無関係であることを証明する挙証責任は使用者にあるとする。出産休暇後の職場復帰については、同じ職位または従前の給与が支払われる同等の職位に戻れることを保障する。
第183号条約は、妊娠・哺育中の女性の就業が禁止・制限されている業務や母子の健康を損なう危険のある場合を除き、求人に応募した女性に妊娠検査を課したり、証明書の提出を求めたりすることを禁止する。また、特定期間、1日1回以上の哺乳時間を付与するか、労働時間短縮の措置を講じるものとし、この哺乳時間及び短縮された労働時間はこれを労働時間と見なすこととする。
同名の補足的勧告(第191号)が同時に採択されている。
■ 英語原文
■ 日本語訳文
■ 条約一覧に戻る