仕事の未来世界委員会

画期的報告書の発表を前にILO仕事の未来世界委員会が最終会合開催

記者発表 | 2018/11/22
ILO仕事の未来世界委員会最終会合(ジュネーブ・2018年11月15~17日)

 仕事の世界で進行中の変容の動きを評価し、進むべき前途に関する提案を行うことを任務として2017年8月に設置された「仕事の未来世界委員会」の最終会合となる4回目の会合がジュネーブのILO本部において2018年11月15~17日に開かれました。

 公式の100周年開始式典が開かれる2019年1月22日に発表される委員会の報告書は、仕事の世界で起こりつつある、変容をもたらすような急速な変化を背景に、すべての人に持続可能なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を提供するような仕事の未来を達成するために必要な措置を概説するものとなります。さらに、経済成長と開発に対する包摂的な新しい取り組みに向けた具体的な提案を複数盛り込み、国際及び各国の政策策定における優先順位の変更を目指します。報告書には次の100年における仕事の未来を形作るILOの決定的に重要な役割を概説する提案も含まれる予定です。

 南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領とスウェーデンのステファン・ロヴェーン首相を共同委員長とするこの独立した委員会は、持続可能な雇用、生涯学習、社会的保護、科学技術、社会対話の役割などの労働に係わる機構制度に重点を置いて実施された、15カ月間にわたる仕事の未来についての検討の中で特定された主な問題と課題に緊急に取り組む必要性に関して合意に達しました。この主な問題には、若年雇用や技能ミスマッチ、所得不平等、非公式性、農村経済、デジタル・デバイド、男女平等などが含まれています。

 世界委員会の活動は2019年のILO創立100周年に向けてガイ・ライダーILO事務局長が提案した100周年特別事業の一つである仕事の未来イニシアチブの下で展開されている3段階の活動の2番目に当たります。2015年のILO総会に提出された仕事の未来100周年記念イニシアチブに関する事務局長報告を受けて2016年に開始された第1段階は加盟各国で実施された一連の国内対話です。第3段階として、世界委員会の報告書は2019年6月に開かれる100周年記念ILO総会に提出され、討議されますが、これに先立ち、各国・地域で委員会の報告書を巡る政労使三者の討議を行うことが推奨されています。日本でもILO創設100周年記念シンポジウムとして2019年2月1日に報告書を元にした国内協議が行われます。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。