仕事の未来世界委員会

仕事の未来世界委員会:共同委員長交代、モーリシャス大統領に代わって南アフリカ大統領

記者発表 | 2018/05/10
シリル・ラマポーザ南アフリカ大統領 © Phill Magakoe / AFP

 2019年のILO創立100周年に向けてガイ・ライダーILO事務局長が2013年に開始した100周年特別事業の一つである仕事の未来イニシアチブの下、2019年初めに発表される予定の仕事の未来に関する大型報告書の作成を任務として2017年8月に設けられた仕事の未来世界委員会の共同委員長にこのたび南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領が就任しました。ラマポーザ大統領は、今年3月の大統領職辞任と共に委員長職を辞したモーリシャスのアミーナ・ギュリブ・ファキム大統領の後任として、スウェーデンのステファン・ロヴェーン首相と共に、慶應義塾の清家篤前塾長を含む28人の委員で構成される委員会の議論を司ることとなります。

 ラマポーザ大統領は、就任に際し、「世界中の人々の暮らしを改善しようとするならば、新しい仕事の世界に向けて集団的に備える必要がある」と説いて、「現代のグローバル経済の最も重要で最も急を要する課題の一つ」に取り組んでいる世界委員会の活動を評価しました。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、大統領の共同委員長就任受諾に謝意を表し、南アフリカとILOの非常に緊密な関係に注意を喚起した上で、大統領が委員会の活動にもたらすであろう自由と対話の価値は、大統領がその生涯を通じて擁護してきたものであり、「私たちが望む仕事の未来、そして全ての人のために機能する世界経済のカギを握るもの」と紹介しました。

 1952年にヨハネスブルグ南西の町ソウェトで生まれたラマポーザ大統領は反アパルトヘイト(人種隔離)政策活動家として数回にわたり身柄を拘束されました。80年代に鉱山労働者全国組合を設立し、その書記長を9年間務めた後、1991年にアフリカ民族会議(ANC)の事務局長に選出され、その後の南アフリカの民主主義移行期には中心的な交渉人として党を率いてきました。1994年の南アフリカ初の民主選挙に伴い国会議員となり、アパルトヘイト後の憲法起草を手伝いました。その後、ビジネスリーダーとしても大きな成功を収めています。

 仕事の世界で起こりつつある急速な変化を評価し、主な課題とより良くより公正な仕事の未来を実現するために何をすべきか特定するために話し合いを重ねている世界委員会の次の会合は5月15~17日にジュネーブのILO本部で開かれます。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。