建設業における労働安全衛生

建設業安全衛生実務規程1992年版改定専門家会合

 建設業の安全と健康に関しては、1988年に第167号条約第175号勧告が採択されています。この実施のための手引き及び補足的な実務情報を提供することを目的として1992年に建設業における安全と健康に関する実務規程が刊行されました。

 2018年9月に開かれた基準見直し機構三者構成作業部会第4回会合で第167号条約と第175号勧告の点検が行われた際に、フォローアップ活動として、建設業実務規程の定期的な見直しが提案されたことを受けて、1992年以降に仕事の世界及び建設業で起こった多くの変化に加え、権限ある機関や請負業者、使用者、労働者、労使団体の役割の変化を反映するような形で実務規程の更新を行うため、政労使各側8人の専門家が出席し、1992年版の実務規程の改定を目指した専門家会合が開かれます。

 提案されている改定案は、23章構成を取り、建設業の安全と健康に関わる義務、責任、権利を有する官民両部門のすべての人々が用い得る実用的な手引きを提供することを目指しています。第1章「一般規定」で本規程の目的や利用について概説した上で、第2章「一般的な義務」で利害関係者の一般的な義務、責任、権利を概説し、第3~9章で労働安全衛生マネジメントシステム(第3章)、職務能力、情報、指示、訓練(第4章)、傷病の届け出(第5章)、個人用保護具(第6章)、職場における福利(第7章)と安全(第8章)、健康に対する危険、応急手当、職業衛生機関(第9章)に関する一般原則を記しています。第10~22章では、掲揚装置、可動式高所作業用足場(第10章)、荷揚用機械及び荷揚用具(第11章)、運搬、土砂運搬及び材料処理設備(第12章)、プラント、機械装置、手工具(第13章)、屋根作業を含む高所作業(第14章)、掘削、立坑、土工、地下作業及びトンネル(第15章)、コファダム、ケーソン、圧縮空気下での作業(第16章)、構造枠、型枠工事、コンクリート工事(第17章)、杭打ち(第18章)、水上作業(第19章)、解体工事(第20章)、電気(第21章)、爆発物(第22章)といったように最も一般的な建設活動における労働安全衛生上の要求事項を具体的に示した後、最後の第23章で廃棄物及び排気の管理を扱っています。1992年以降に採択された労働安全衛生に関するILO基準を列挙した文献目録も含まれています。付録として、1998年刊行の『労働者の健康サーベイランスのための技術・倫理ガイドライン』をもとにした労働者の健康サーベイランスと、「1985年の職業衛生機関勧告(第171号)」に基づく作業環境の監視に関する規定も掲載されています。


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