産業別会合:繊維・衣料・皮革・履物産業

繊維・衣料・皮革・履物における安全衛生に関する実務規程の検討・採択に向けた専門家会議

 2013年4月にバングラデシュで発生したラナプラザビル倒壊のように繊維・衣料・皮革・履物工場の崩壊や火災は多くの死傷者を出しています。獣皮や羊毛を通じて炭疽菌にさらされるなど、特有の危険因子も存在します。そこで、政労使各側8人ずつの専門家が参加して、これらの産業に適用される安全衛生に関する実務規程の採択を目指して検討する専門家会議が開催されます。

 事務局のまとめた実務規程案は、18章構成でこれらの産業における安全と健康のための手順を詳しく示しています。第1章で実務規程の目的や適用範囲、用途について概説した後、第2章で政府、労使団体、その他利害関係者の一般的な義務や責任、権利について記しています。第3~5章で労働安全衛生マネジメントシステムや変化の管理、業務関連傷病・健康問題・危険事象の報告・記録・届出、安全衛生に関わる組織などの一般原則を示した上で、第6章で建物と火災に関する安全性、第7章で換気や材料保管などの職場におけるその他の一般的な予防・保護措置を取り上げ、第8~11章で生物学的な危険、危険有害物質、人間工学的な危険、物理的な危険を管理する方法を詳記しています。第12章で道具、機械、設備についての安全要件、第13章で職場における輸送に関する安全性、第14章で管理者、労働者、請負者の職能と訓練を取り上げ、第15章で個人用保護具に関する手引きを示しています。第16章で労働時間やハラスメント、母性保護などの特別保護措置、第17章で当該産業内で働く人々の福祉と安寧、第18章で廃棄・排出管理について取り上げています。

 ILOの産業別実務規程とは、特定の経済部門や産業に特有の事項に焦点を当て、ILOの国際労働基準その他宣言などの情報源に示される原則に依拠し、特定の経済部門に係わる政策、戦略、事業計画、法律、行政措置、社会対話機構の設計・実施に反映し得る原則を定めた参考ツールであり、法的拘束力はありません。


詳しくは会議のウェブサイト(英語)へ---->
繊維・衣料・皮革・履物における安全衛生に関する実務規程の検討・採択に向けた専門家会議