船員の賃金

合同海事委員会船員賃金小委員会

 海事問題について理事会に助言を提供する合同海事委員会の小委員会として、船舶所有者・船員代表各6人で構成され、隔年で開かれるこの委員会は、1996年の船員の賃金、労働時間及び船舶の定員勧告(第187号)を改正する2006年の海上の労働に関する条約の指針B2.2.4.に規定されている有能船員の最低月額基本給または基本賃金の更新について話し合い、結果を勧告としてILO理事会に提出します。日本からも一般社団法人日本船主協会の田中俊弘常務理事が船舶所有者側委員、全日本海員組合の森田保己組合長が船員側委員として参加しています。

 現行の更新方法論に則り、基本給または基本賃金のベースとなる代表的な海事国と主要な船員供給国・地域の一覧、計算の基礎となる購買力平価中央値を導くために用いられる各国の消費者物価や為替レートの一覧、第187号勧告及び2006年の海上の労働に関する条約の関連規定の抜粋、現行の改訂方法論、2014年の小委員会で採択された決議などが掲載されている、事務局が作成した討議資料をもとに話し合いを行った委員会は、最低賃金引き上げについて合意に達することができず、2014年2月に開かれた前回の委員会で定められた有能海員の1カ月当たりの最低基本給614ドル(2016年1月1日発効)を維持する決議を採択しました。委員会はこの賃金額について、他の賃金設定機構によるより高い水準の賃金の採用や団体交渉を決して損なうものではないことを認め、2019年1月1日に発効するよう最低基本給を更新することを目的として次回の会合を2018年上半期に開催すること、そしてその後は隔年で開催していくことを理事会に提案しました。


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