2007年の漁業労働条約(第188号)実施のための旗国指針採択に向けた専門家会議

 2007年の第96回ILO総会は、漁業労働条約(第188号)を採択した際に、旗国による同条約実施のための指針策定に向けた政労使による作業を優先させることなどを事務局長に求める第188号条約の批准促進に関する決議を同時に採択しました。これに従って開かれた専門家会議には、7カ国の政府側専門家、使用者側専門家7人、労働者側専門家8人が出席し、事務局の準備した草案をもとに検討を行い、「漁船上における労働・生活条件の旗国による検査のための指針」を採択しました。日本からも労働者側専門家として、全日本海員組合の髙橋健二中央執行委員が参加しました。

 採択された指針には、旗国の責任や漁船・漁業者に対する一般適用事項、条約に沿った検査内容や検査機関の種類・責任・方針、不備が発見された場合に取るべき行動などが盛り込まれています。強制労働の指標や有効な検査文書に最低限含むべき内容、検査項目も示されています。

 2006年の海上の労働に関する条約が適用されない漁業者に国際的な保護を提供することを目的として採択された第188号条約は、勤務の条件や設備・食料、職業上の安全と健康の保護、医療、社会保障など、漁船内の労働に関する最小限の要件を包括的に規定しています。批准国はこの条約に基づく約束を履行するために採用した法令その他の措置を通じて自国の漁船及び漁業者に対して実効的な管轄権を行使することとなっています。その一環として、漁船は権限ある機関から条約規定に従っているか否かの検査を受けたことを記した有効な文書を船上に備え付けていることが求められています。


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2007年の漁業労働条約(第188号)実施のための旗国指針採択に向けた専門家会議