世界統計デー

信頼できるデータで世界をつなごう

 新型コロナウイルス(COVID-19)危機は信頼のおけるデータがあることの重要性を強調することになったと、2020年の世界統計デー(10月20日)に際してガイ・ライダーILO事務局長は説いています。

声明 | 2020/10/20
2020年10月20日発表・英語・3分17秒

 2020年の世界統計デー(10月20日)のテーマは「信頼できるデータでこの世界をつなごう」です。5年毎に巡ってくる世界デーですが、第3回目となる今年のテーマは、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行という現状に強く共鳴しています。コロナ禍は仕事の世界に史上最悪のものの一つに数えられる危機を生み出し、既に存在していた深い不平等をさらに広げました。

 この危機を克服する措置に関する健全な政策決定には正確なデータが要請されます。コロナ禍が進行する中、データ生成者が自らの仕事を全うできなかったとしたら、情報ギャップという暗い前途が待ち受けることになったでしょう。しかしながら、最も豊かな国から最も貧しい国に至るまで、世界中の統計局がこの課題に立ち向かい、多大な強靱性と、変化に適応し、生成を継続できる能力を見せつけました。統計局は迅速かつ効率的に反応しましたが、労働問題に関するその取り組みを支援できることにILOでは喜びを感じています。

 さらに、健全な統計制度に投資し、データを共有するために加盟国が執った措置は、ILOが労働者、使用者、政府に対する新型コロナウイルスの影響を推定する革新的な手法を開発できるために決定的に重要でした。コロナ禍は持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた課題を強めました。国際社会が「活動の十年」をもって目標達成に向けた取り組みを倍加させるに当たり、SDGsの全ての目標及びターゲットに向けた歩みを測定するために統計界が開発した堅固で包括的な指標枠組みが必須のツールとなるでしょう。国際デーに当たり、ILOはこの枠組みに反映されている統計家の方々の活動を感謝しつつ認めるものであります。

 ILOにはディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関わる問題に取り組むに際して必要な、信頼のおける調和された統計の開発における長い経験があります。非常に多くのILO条約が加盟国で生成されるデータに大いに依存しているという現状に鑑み、2023年に開かれる次の国際労働統計家会議は決定的に重要なこの知識の更新を図ります。仕事、新たな労働関係、労働者の権利、労働力移動その他多くの事項の測定に関連した重要な概念の定義、改良を図った過去2回の国際労働統計家会議の活動を土台として、次の会議では非公式(インフォーマル)性の測定の改良を目指します。国際的な道具箱にこの決定的に重要な分野を加えられることをILOでは楽しみにしています。

 国際デーに際し、統計家の方々の業務、専門家としての職業意識、高潔さ、そしてこれらの方々が生成する公式統計に祝意を表するものであります。協働を通じて私たちは誤った情報や偽りの主張を打ち砕き、信頼のおけるデータで世界を結びつけ、より良い立て直しを図ることによって違いをもたらすことができるでしょう。