2020年2月-8月 ILO駐日事務所インターンシップ修了者の声

Name: MF
Career direction: Education, lifelong learning, development education
Internship period: February 2020- August 2020 (Seven months)


インターンシップを始めたきっかけ

インターン応募のきっかけは、初めて就職した職場での経験でした。学士〜修士にかけ、開発教育や成人教育、生涯学習について学び、企業で働く人の学びをサポートする仕事につきました。しかし、様々な企業の育成プログラムや研修を見る中で、人が安心して学び成長する環境づくりにはソフト面(意識や関係性)のみならずハード面(労働基準法や人事制度)も必要であると気づき、労働について学びたいと思うようになりました。また、自分自身も所属していた組織内でハラスメントを受け、解決策を探す中で、実際にハラスメントが起こった組織文化や体制について第三者が介入して改善することが非常に難しい現状を目の当たりにしました。そこで、国という枠組みを超えた国際機関では、労働についてどのようなことに取り組んでいるのか、また、各国の政策にどのような影響を及ぼしうるのかを知るためにインターンシップに応募しました。
また、国際機関で働いてみたいと大学生の頃から思い続けていたことも応募の動機でした。社会人になるまでは、教育関連の国際機関しか選択肢に入れていませんでしたが、上記のような経験から、ILOも選択肢に含めるようになりました。そして、タイミング良く、インターン募集の情報が外務省国際人事センターのメーリングリストで流れてきたため、応募を決めました。

インターンシップでの業務内容

広報業務インターンとして募集がかけられていたこともあり、ILO駐日事務所として発信する情報に様々な形で携わりました。3月から新型コロナウイルスによる在宅勤務が始まったことで、ほぼすべての業務や企画をオンラインで行なったことは新鮮な経験でした。

ILOCOOP100インタビュー企画「耕す、コープを。」

2020年はILOの協同組合ユニット100周年であったため、駐日事務所でも日本の協同組合に関するインタビュー企画を実施することになりました。企画書作成から、グラフィックレコーダーのアサイン、インタビュー、記事作成まで、全面的に任せていただき、スーパーバイザーの厚いサポートのもと、かなり自由に進めることができました。テレビ会議ツールを通してですが、協同組合で活躍されている方々のお話をたっぷり伺うことができたことは、貴重な機会でした。
 
(ILOCOOP100インタビュー企画「耕す、コープを。」でインタビューさせていただいた3名の似顔絵)

第1回目インタビューのグラフィックレコーディングの様子

若者キャリア座談会企画「コロナ禍に聞く ILOインターン経験者からみた若者と仕事の世界」

リクルートワークス研究所の若者キャリア論プロジェクトに職員の方が参加したことを機に、研究者の方とオンラインランチをさせていただく貴重な機会をいただきました。これをきっかけに、ILOでインターンをしている私たちがキャリアについて考えていることや悩んでいることを率直に文字化してみるのも面白いのではないかという話になりました。最終的には、ILOインターンOG&OBのご協力を得て、記事にすることができました。
この企画は完全にインターンのイニシアティブで実施したものでした。やりたいことがあれば、その意思を最大限尊重してくださる環境がILO駐日事務所にはあることを実感した企画でした。
 
(オンライン座談会の様子)

●新型コロナウイルス対策(日本の政労使)のアップデート
2020年2月からインターンを開始したため、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大初期〜パンデミックまでのILO内での動きを見ることができました。微力ながら、2月〜4月頃までの日本の政労使の動きを追い、ILO内で共有される簡単な資料作成にも携わりました。毎日、内閣府や厚生労働省、連合、経団連などのサイトを確認し、複数のニュースサイトから情報収集できたことは、日本の動きを把握し、海外と比較する上でも非常に役に立ちました。また、自分が作成した資料が実際にILO内部のメールで共有されているのを見た際は、少しでもILOに貢献できたような気がして嬉しかったです。

上記3つの他にも、インターンの広報業務の進め方やルール決め(twitter, facebook, blogの方針再整理、googleドライブやスプレッドシートの活用、振り返りミーティング設定)やILO日本人専門家2名へのインタビュー、毎日のSNS更新、翻訳など様々な業務を他2名のインターンの方々と分担しながら進めました。

インターンシップを通して有意義だったこと

ILO駐日事務所、またはILO全体が具体的にどのようなことをしているのか理解を深められたことは、今後のキャリアを考える上でも大きな収穫でした。個人的には、年齢や機関に捉われない学びに関わることをライフワークにしたいと考えているため、ILO日本人専門家の坂本明子さんのインタビューを通してILOの中にも教育や学びを扱う部署があることを知ることができ、キャリアの選択肢の幅が今回のインターンを通して確実に広がったと感じています。
また、ILO内での経験に加え、同じ国連大学内に入っている他の国際機関の職員の方やインターンの方々とも繋がる機会があり、リアルな国際機関の現状について知ることができたことは非常に貴重な経験であったと思います。今後、より具体的に国際機関でのキャリアを検討するための材料をたくさん得られた7カ月間でした。
更に、インターンチーム(3名)のイニシアティブで仕事をつくる段階から経験できたことは、今後チームで仕事をする際に振り返る経験が増えたという点で、非常に有意義でした。ちょっとした雑談から出てきたアイディアをブラッシュアップし、提案し、協力者を募り、最終成果物まで持っていくプロセスを、3人で上手く役割分担しながら進めることができ、「チームワーク」というある種、普遍的な仕事の要素について学ぶことができました。
 
(UNICEF、UNIDOのインターンの皆さんとランチをした際のツイート)

インターンを考えている方へ

 
「労働と関係ない分野を学んできたけれども、インターンに応募してもいいのか」と悩まれる方がいらっしゃるかもしれませんが、インターンを通して学びたいことやその後のキャリアに関して十分な動機があれば、まずは応募してみることをオススメします。私も教育を学士、修士と学びましたが、社会人経験の中で労働に関心が芽生え、応募しました。選考の面接でも、なぜインターンをしたいのか、インターンとしてどのような貢献ができるのかについても自分なりの回答を述べた上で、自分が労働法などに関しては知識がないことは正直に伝えた記憶があります。
また、ILO駐日事務所は労働に関する国際機関であるため、インターンの働き方や業務内容について非常に親身になって話を聞いてくださるスーパーバイザーや職員の方々がいらっしゃいます。働きやすい環境で経験を積みたい、と思われている方は是非、チャレンジしてみてください!