2019年1-3月 ILO駐日事務所インターンシップ修了者の声

Name:YK
Career direction:Sustainable business and international development
Internship period:January 2019 - March 2019

インターンシップを始めたきっかけ

 
大学卒業後、民間企業のCSR(主に環境面でのサプライチェーン管理)や公的機関における開発協力案件(無償資金協力、官民連携)の形成・監理業務に携わった後、大学院在学中にビジネスと人権に関するコンサルタンシープロジェクトに参加し、社会面に焦点をあてた企業向けCSRガイドラインの作成等に取り組みました。これらの経緯から、環境面・社会面で持続可能なビジネスを通じた途上国開発に資するための、国の仕組みづくりや企業マネジメントにおける貢献を志すようになり、そのような観点から包括的な取り組みを行うILOでのインターンシップに応募しました。

インターンシップでの業務

 
インターンシップの開始とともに、ILO創立100周年という記念すべき1年が始まりました。世界のILO加盟国に先駆けて、100周年記念シンポジウムやキャリアセミナーが東京で開催され、これらに関連するロジ・広報支援や刊行物等の翻訳、書類の作成等に携わるとともに、ILO本部や地域オフィスから出張で来日した職員の方々と交流する機会をいただきました。駐日事務所の方々を含め、どの職員の方もILOの仕事に高い誇りと熱意をもって取り組んでいらっしゃるのが伝わってきたことが印象的でした。

CSRや開発協力については、外部セミナーへの参加やILOによる講演の草案作成、パートナー発掘のためのリサーチや関連資料の翻訳等に関わる機会をいただき、自身の関心分野におけるILOの取り組みについて理解を深めることが出来ました。

また、インターンのTwitterアカウントを通じては、ILOの活動についてわかりやすく対外発信するよう努めました。限られた文字数で簡潔に伝えることは予想以上に難しかったですが、このために行ったリサーチを通じて、ILOが取り組むあらゆる分野への関心が広がりました。

インターンシップを通して感じたこと

 
ILO駐日事務所は少人数体制ではありますが、100年に及ぶ歴史は、職員の方々の確かな実績とノウハウに支えられてきたのだと実感しました。また、異なる専門や経験を持つインターンの方々と勤務することも、社会人になってからは得難い経験であり、今後目指すべき道や自身の長所・短所を見つめ直す貴重な機会となりました。

私が大学や大学院で学び、これまでの社会人生活でも携わってきた途上国開発は、長きにわたり様々なアプローチが錯綜してきた答えのない分野であるために、共通の価値観やターゲットを描きづらい難しさもあると感じます。そのような中で、日本のような先進国を含む多くの国が直面する課題に光をあて、皆が共に前進するための指針を与える ILO の壮大なビジョンに感銘を受けました。そして、世界中のあらゆる国や人にとって存在すべき価値である社会正義を礎とした、ILOの着実な取り組みに深く共感しました。グローバル化や自動化の加速、人口動態や自然環境の変化という大きな波の中で、ディーセント・ワークは、働き方改革や女性の活躍、外国人就労者等の課題に直面する日本が今もっとも必要とする考え方のひとつです。それと同時に、今まさに急速な発展を遂げている途上国へも、早い段階から、包括的かつ長期的に根付かせていくことが肝要だと思います。ディーセント・ワークから持続可能な未来を追求する、という視点を得られたことは、今後も途上国開発に関わる上で、自身の羅針盤になると感じています。

週2.5日、3ヶ月間という限られた期間ではありましたが、社会人経験を経てからのインターンシップだったからこそ、キャリアのターニングポイントとして様々なことを吸収出来たとも感じます。今後もあらゆるバックグラウンドを持つ方にインターンシップに挑戦していただくとともに、ILOが行う唯一無二の取り組みを、1人でも多くの方に知っていただきたいと思います。末筆ながら、インターンシップという貴重な機会をくださり、最後まで温かくご指導ご助言くださったILO駐日事務所の皆様に心より御礼申し上げます。