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記者発表
2012年  過去の分
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記者発表概要(全文は英語

2012年5月発表分

 グリーン経済に関するILO/UNEP新刊発表予告英語原文
    2012年5月24日(木)発表ILO/12/37

 ILOと国連環境計画(UNEP)は共同で作成したグリーン経済に関する新刊書『Working towards sustainable development: Opportunities for decent work and social inclusion in a green economy(持続可能な開発に向けた協働:グリーン経済におけるディーセント・ワークと社会的包摂の機会・英語)』を5月末に発表します。この共同研究は適正な政策の組み合わせを伴った場合、グリーン経済はより多くのより良い雇用を創出し、人々を貧困から抜け出させ、人々が社会から排除されない社会的包摂を促進できることを示しています。また、雇用と社会的包摂をあらゆる持続可能な開発戦略の不可欠な一部とすべきことを説いています。
 報告書は2012年5月31日(木)GMT10時(日本時間同日19時)の報道解禁時間以降にILOとUNEPのホームページ上で公表されます。5月31日午前11時からジュネーブの国連欧州本部でフアン・ソマビアILO事務局長とアヒム・シュタイナーUNEP事務局長(テレビ会議システムを利用)などが出席して報告書の記者発表会が開かれます。

 ILOのトップが人々と政治の分離拡大を警告英語原文
    2012年5月23日(水)発表ILO/12/36

 5月30日に開幕する今年のILO総会では、若者の失業問題が主要議題の一つになっていますが、この討議に若者の声を反映するために5月23〜25日に開かれる若者の雇用フォーラムの開会式で演説したフアン・ソマビアILO事務局長は、政治や政府の検討現場に当事者である若者が欠けている状況を指摘しました。そして、財政緊縮に主導された景気後退に陥っている多くの欧州諸国が危機を純粋に財政的な観点から見ているのに対して世間の不満が高まっている現状に警鐘を発すると共に、多くの途上国がその路線を取らずに、最低賃金の引き上げ、社会的保護の拡充などの政策を講じて、危機から迅速に抜け出したことを評価しました。
 ソマビア事務局長はフォーラムに出席した約100人の若者に向かって、社会をより良い方向に変えようとしているその試みを賞賛し、その活動は価値も効果もあると強調しました。
 各国で開かれた国内協議会を経て今回ジュネーブのILO本部で開かれているグローバルなフォーラムには、世界各地から若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進に関与している企業家、組合活動家、若者団体活動家などの若者が出席し、若者の視点から雇用危機に取り組む方法について話し合います。
 若者の失業率は危機ピーク時の12%超を維持したままで、世界全体で約7,500万人の若者が仕事がない状態にあると見られます。

 世界の若者がILOに集って雇用危機に取り組む方法を議論英語原文
    2012年5月23日(水)発表ILO/12/35

 5月30日に開幕する今年のILO総会では、若者の失業問題が主要議題の一つになっていますが、この討議に若者の声を反映するためにILOは5月23〜25日にジュネーブのILO本部で若者の雇用フォーラムを開催しています。計46カ国5,000人以上が参加した国内協議会を経て開かれるこのグローバルなフォーラムには、世界各地から100人以上の労働組合活動家、企業家、非政府組織(NGO)メンバー、その他活動家の18〜29歳の若者が出席し、7,500万人の若者に仕事がない状態を作り出している世界的な雇用危機に取り組む最善の方法について議論を行います。世界的な雇用危機の影響は若者に特に厳しく、若者が無業になる可能性はより年長の人々の3倍に達し、若者の失業率は高止まりを続け、今後4年間は大きな低下が見込まれません。
 フォーラムに出席したエクアドルのバンガード・グローバル・ネットワークのカルロス・シスネロス氏は、若者の雇用の問題は国際的な場で定期的に議論されているものの若者が関与することはほとんどないとして、ILOの試みを歓迎しました。
 パレスチナでは2011年に15〜24歳の若者のうち、男性は3分の1、女性は半分以上が失業していたと推計されますが、パレスチナ労働組合総連盟(PGFTU)のスヘイル・タバンジャ氏は、「私たちに必要なのは行動、若者のための雇用機会」であると訴えました。
 コンゴ民主共和国の若年者雇用ネットワークを代表して参加したベンジャミン・ボウイエメレ氏は、フォーラムが若者の人間らしい雇用の問題を国内・国際レベルで優先事項の一つと化す助けになることへの期待を述べました。
 フォーラムの結論は5月30日から開かれる第101回ILO総会における政労使による討議で共有されます。総会の決定事項は6月に開かれる主要20カ国・地域(G20)サミットや9月に開かれる国連総会にも提出され、各国の政策策定を手助けすることが期待されます。
 フォーラムの開会式で挨拶したフアン・ソマビアILO事務局長は、若者が直面している課題は楽なものではないとしつつも忍耐を説き、フォーラムの出席者が代表しているものは、「社会をより良い方向に変えようとの試み」であると語りました。

 雇用、ディーセント・ワーク、開発のためのザンビアの新戦略議論をILOとIMFが支持英語原文
    2012年5月23日(水)発表ILO/12/34

 ザンビア政府、ILO、国際通貨基金(IMF)、国際労働組合総連合(ITUC)が共催して同国の雇用、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、開発のための新たな戦略について話し合うために5月21〜22日にルサカで開かれた会議には、ザンビアの副大統領・財務大臣など政府閣僚、労使団体指導者、若者団体や市民社会の代表、ILO及びIMFの上級職員が出席し、包摂的な成長による雇用促進に向けて協力し合うことで合意を達成しました。会議ではとりわけ、持続可能な経済成長とディーセント・ワークの促進における政労使三者間の社会対話の重要性が強調されました。
 ザンビアの過去5年間の平均経済成長率は6.1%に達しているものの、高止まりしている失業率は貧困と不平等の削減を妨げています。また、労働力全体の約9割が従事すると見られるインフォーマル経済は拡大を続け、その組織化・規制に向けた行動が要請されています。会議の議論は、ディーセント・ワーク機会の拡大及び失業・不完全就業の削減を支援する政策を中心に展開され、教育制度から生み出される技能と使用者が現在求めている技能のミスマッチ、労働法制の強化、政労使三者構成主義、労働者の権利の保護、農村部の貧困削減や若者の失業問題に対する取り組みに伴う課題などの事項が取り上げられ、雇用問題と貧困に取り組む上で農業生産性の増大、産業の多角化、工業開発、付加価値の促進が極めて重要であることが指摘されました。より包摂的かつ一貫性のある成長戦略の一環として雇用成長を支えるマクロ経済政策の役割に関する検討も行われました。
 会議の結びとしてファクソン・シャメンダ情報・放送・労働大臣より今後の話し合いの基礎となるべき包摂的な成長と開発のための政策集について一連の提案が出されました。中でも、得られる財政的な余地に十分配慮した、すべての人々のための基礎的な最低限の社会的保護の床の設計と漸進的な実行、労働法制・労働監督・執行の強化、労働者の権利の実効的な保護を確保する必要性などが強調されました。

 アウン・サン・スー・チーさんが来るILO総会で演説英語原文
    2012年5月22日(火)発表ILO/12/33

 ILOの今年の年次総会である第101回ILO総会は5月30日〜6月15日にジュネーブのパレ・デ・ナシオン(国連欧州本部)で開かれますが、ミャンマーの国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チーさんがフアン・ソマビアILO事務局長の招待に応じ、6月14日午前に本会議で演説することが決まりました。
 スー・チーさんは昨年の総会ではビデオを通じてミャンマーにおけるILOの活動の拡大を訴えると共に社会正義の時代の実現に対する希望を表明しました。
 総会には日本を含む184のILO加盟国より政府、労働者団体、使用者団体の代表4,000人以上が出席すると見込まれます。

 雇用創出を後押しするロシアの計画の裏にある課題とは英語原文
    2012年5月21日(月)発表ニュース

 ロシアのウラジミール・プーチン大統領が2012年5月7日に署名した長期国家経済政策に関する大統領令は、投資を2015年までに国内総生産(GDP)の少なくとも25%、2018年までに27%に引き上げることや労働生産性を2018年までに2011年の1.5倍に高めること、そして既にプーチン首相(当時)が2011年の第100回ILO総会で発表していたように2020年までに高度に生産的な仕事を2,500万人分創出するか近代化を図ることなどを目標に掲げています。
 経済成長の点でも労働市場の情勢から見てもロシアは危機から脱しつつあるように見え、2009年2月に9.4%のピークに達した失業率は大幅に低下して2012年3月には6.5%と危機前の水準に戻っています。
 ILOモスクワ事務所のオルガ・コウラエワ雇用専門官はこのようなロシアの雇用面での課題として、若者の雇用危機、経済の近代化やイノベーション能力を制約する可能性がある幾つかの主要部門・職業における技能不足、教育制度によって提供される技能が労働市場の需要に合っていないミスマッチ、2010年に全就業者の25%(2000年20%)を占めるに至ったと推計されるインフォーマル就業の増大を挙げています。若者の雇用に関しては、失業率が2012年4月で14.9%に達している北カフカスや32.3%のチェチェン共和国といった平均をはるかに超える失業者数が見られる地域で若者人口比率も高いといった状況にあり、ILOは既にこの分野で技術支援を提供するよう求められています。
 ロシア政府は雇用促進に非常に熱心で、労働市場政策の全国的な実行に努め、求職者・使用者に対する支援、地域労働市場情勢に関する情報提供、合同就職説明会の開催、職業指導、失業者向けの訓練・再訓練・技能向上講座の提供など多岐にわたる事業を展開しています。危機時にはさらに、公共事業計画の促進、若者向けの臨時的な仕事の創出、自営に向けた支援、農村部への労働力移動の円滑化などといった追加的な措置も講じました。コウラエワ専門官は、ロシアが現在直面しているような危機後の難しい時代においては特に、社会対話があらゆる労働・社会改革の鍵を握るとして、社会的パートナーと協議の上で労働市場政策を実行すべきことを強調しています。

 G20諸国で無職の若者は2007年比400万人増−世界の雇用情勢若者編英語原文報告書概要日本語訳
    2012年5月17日(木)発表ILO/12/32

 5月30日に開幕する今年のILO総会では、若者の失業問題が主要議題の一つになっています。ILOはこの討議に若者の声を反映するために来る5月23〜25日には100人以上の若者の参加を得て、ジュネーブのILO本部で若者の雇用に関するグローバルなフォーラムを開催します。
 フォーラムの開催に先立ってこのたび発表されたILOの定期刊行物『Global employment trends for youth(世界の雇用情勢−若者編・英語)』2012年版は、今年、世界全体で若者労働力(15〜24歳)の12.7%に相当する7,500万人近い若者失業者が発生すると予測され、これは2009年のピーク時(12.6%)からほとんど変わっておらず、2007年比で400万人近い失業者数の増加に当たることを示しています。また、職探しをあきらめたり、先延ばしにしている若者も相当数に上り、この数を加えると世界の若者の失業率は13.6%になろうと推定しています。そして、こういった非労働力化している若者がやがて労働市場に加わることによって雇用情勢が今後さらに圧迫される見込みを記しています。
 報告書を作成したILO雇用総局のホセ・マヌエル・サラサール=シリナチス総局長は「若者の失業危機は打開できる」としつつも、「それが可能なのは若者の雇用創出が政策策定の主要優先事項とされ、民間投資が相当に好転した場合に限る」とし、そのために必要な措置として「若者を採用する企業に対する租税その他の奨励措置の提供、若者の技能ミスマッチを削減する取り組み、技能訓練と先輩による指導、資本アクセスを組み合わせた起業家精神プログラム、若者向けの社会的保護の改善」などを提案しました。
 地域別で見ると、非労働力化している若者が多数存在する先進国の状況は、今年18%と予測される失業率から推測されるものより悪く、独立国家共同体(CIS)及び中・南東欧では若者の失業率は2011年に17.6%(前年比1.8ポイント減)となり、労働力率は貧しさに後押しされていると見られ、増加しています。「アラブの春」以降、北アフリカでは若者の失業率が5ポイント跳ね上がって2011年に27.9%となり、中東は26.5%(前年比1.1ポイント増)となっています。中南米・カリブでも2008年に13.7%だった若者の失業率は2009年に15.6%と急上昇した後、2011年に14.3%まで低下しましたが中期的にこれ以上の改善は期待できません。サハラ以南アフリカでは2005年からほぼ横ばいで2011年に11.5%となっており、東南アジア・太平洋では2011年に13.5%(2008年比0.7ポイント減)となっています。多分経済が最も力強いと見られる東アジアでさえ、若者の失業率はより年長の人々の2.8倍に達しています。
 報告書が見出したこの他の主な事項には次のようなものがあります。

 ILO/OECD:G20諸国ではなおも2,100万人分の仕事が不足英語原文
    2012年5月16日(水)発表ILO/12/31

 5月17〜18日にメキシコのグアダラハラ市で開かれる主要20カ国・地域(G20)の労働・雇用大臣会合に向けて、ILOと経済協力開発機構(OECD)は16日に共同報告書を発表し、2011年後半に複数の主要経済諸国で見られた大幅な景気減速は多くのG20諸国で労働市場に多大な負担をかけたとして、1.5%の現在の雇用成長率が続けば、2008年の金融・経済危機開始以来G20諸国で蓄積された2,100万人分近い仕事不足を解消することは不可能であると警告しました。フアン・ソマビアILO事務局長は、G20諸国はなかなか去らない世界経済の弱さの根源に取り組む機会があるとして、「生産的な投資、雇用、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に特に重点を置いた経済政策と社会政策のより良い統合が前に進む道であることは今となっては明らか」であると唱えています。
 『Short-term labour market outlook and key challenges in G20 countries(G20諸国における労働市場の短期見通しと主要課題・英語)』と題する共同報告書はさらに、年長の人々より2〜3倍は高い若者の失業率を示し、長引く危機が若者の高失業と長期失業の増大という形で構造的な課題を増大させている現状を指摘しました。ソマビア事務局長は、「若者の声に耳を傾け、すべての若者が適切な教育、職業訓練、初期勤労経験、職業指導を受けて労働市場に参加することを可能にする政策を整備すること」を「新世代を組み込む私たちの社会の能力を測る決定的に重要な尺度」であると語っています。
 全体的な失業率はG20諸国の中でも大きなばらつきがあり、大半の国で過去1年間にわずかながら低下してきていますが、欧州ではほとんどの国が上昇を示しています。ブラジル、ドイツ、インドネシア、ロシア、トルコ、そして最近では米国で失業率は大幅に低下しています。過去1年間に2%以上の雇用成長が見られたのはデータのある17カ国中5カ国に過ぎず、日本など6カ国で雇用成長率は0.6%を下回っています。新興経済諸国ではインフォーマル就業の割合が高く、データが得られる8カ国で平均45%に達しています。産業別の就業構造にも大きな変化が見られ、2010年以降は公務が主な雇用創出部門になっています。
 今年のG20会合の議長国であるメキシコが持続可能な開発と緑の成長を議題に含んだことを受けて、ILOとOECDは『Sustainable development, green growth and quality employment(持続可能な開発、緑の成長と良質の雇用・英語)』と題する共同報告書も発表しました。報告書は、低炭素経済への移行は必然的に労働市場の大幅な再形成を促し、雇用の創出と喪失の両方が発生すると記しています。その上で、再生可能エネルギーの迅速な普及を促進する政策、建物のエネルギー効率向上に向けたインセンティブ、新たに課される環境税の歳入を勤労所得に対する課税額の引き下げに用いるような環境税制改革など、移行を成功させる助けになり得る政策を多数提示しています。また、貧困問題に取り組みつつ、雇用と社会的保護を促進するような緑の経済への正しい移行を円滑化するために必要不可欠なツールとして、政労使間の社会対話の役割にも言及しています。
 ソマビア事務局長とアンヘル・グリアOECD事務総長は5月16日に共同声明も発表し、職探しをあきらめてしまった失意の労働者を算入しないでも2011年末で約1億900万人に達するG20諸国の失業者数を示した上で、厳しい失業・不完全就業状態の改善に向けて雇用政策にあらためて重点を置くことをG20諸国の労働・雇用大臣に呼びかけました。また、若者に対する支援の増大を特に強調しました。

 南米の道路で展開される反同性愛嫌悪キャンペーン英語原文
    2012年5月16日(水)発表ニュース

 国際反ホモフォビア・トランスフォビア・デーの5月17日に発表したメッセージの中でフアン・ソマビアILO事務局長は、仕事の世界におけるホモフォビア(同性愛嫌悪)やトランスフォビア(性同一性障害等生来の性と自らの性別意識が同一でない人々−トランスジェンダー−に対する嫌悪)に基づくものを含むあらゆる形態の差別と戦うILOの誓いを新たにしました。
 この国際デーに際し、チリ・トラック所有者全国連合(CNDC)が主導して展開されているキャンペーンでは、性的指向にかかわらず同僚を尊重することを示す、同性愛嫌悪やHIV(エイズウイルス)の広がりに対抗することを目指すメッセージを、すべての運転手が車内に備え付けるよう義務づけられている運行記録簿の表紙の裏側に印刷することによって2万5,000人のトラック運転手の間にこの考えを浸透させることを図っています。「HIV予防の最善の戦略は人々に情報を与えることであり、自らの性的指向や性同一性のゆえにからかわれたり、攻撃されることを恐れて基礎的なHIV予防やケアサービスを求めようとしない労働者が多いため、ホモフォビアやトランスフォビアをなくすことは優先事項の一つ」と、南米を担当するILOのHIV・エイズ専門官は語っています。
 同性愛者やトランスジェンダーの人々はHIVの影響を受ける割合が不均等に高く、例えば、チリでは15〜49歳人口のHIV感染率が0.4%であるのに対し、男性間で性行為を行う人々の2割が感染者であると見られ、パラグアイでも一般人口のHIV感染率が0.3%であるのに対して、男性間性行為者の感染率は1割と推計されます。
 ILOはノルウェー政府の支援を受けて、チリで労働・社会保障省と共に、トラック運転手組合や企業と協力して、HIV予防及びホモフォビアやトランスフォビア、HIVに関連した差別の撤廃に向けた勧告の実行を進めています。パラグアイでは、石油輸出国機構(OPEC)の国際開発基金(OFID)から資金援助を受けて、HIV予防とホモフォビア撤廃に関するマニュアルを協力機関の研修を通じて配布しています。パラグアイのトラック運転手組合の会長は、同僚の態度がよりオープンで相手を尊重するように変わったことなど、既に肯定的な変化が目撃されることを報告しています。

 第101回ILO総会取材要項英語原文
    2012年5月16日(水)発表ILO/12/30(5月24日(木)更新)

 ILOの今年の年次総会である第101回ILO総会は2012年5月30日〜6月15日にジュネーブのパレ・デ・ナシオン(国連欧州本部)で開かれます。日本を含む184の加盟国から3,000人を超える政府、使用者、労働者の代表の出席が予定されています。
 若者の未曾有の雇用危機を含む経済・仕事に関わる世界的な危機によって引き起こされた課題に世界が直面する中で開かれる今年の総会の議題は以下の通りです。
  1. 理事会議長及び事務局長の報告
  2. 事業計画・予算その他の問題
  3. 条約・勧告の適用に関する情報と報告
  4. 社会的保護の床に関する独立した勧告の策定(一回討議による基準設定議題)
  5. 若者の雇用危機(一般討議議題)
  6. 労働における基本的原則と権利の戦略目標に関する反復討議(2008年に採択された「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」のフォローアップ手続き及び1998年に採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」の2010年に改正されたフォローアップ手続きに基づく議題)
 この他に、ミャンマーによる強制労働条約の遵守に関して過去の総会で採択された措置の見直しも行われ、同国の国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー党首の出席も予定されています。スペインのアストゥリアス公、コスタリカ、イタリア、パナマ、ペルー、チュニジア、ザンビアの各大統領、世界経済フォーラムの創設者であるクラウス・シュワブ氏といったハイレベル・ゲストによる基調講演も行われる予定です。アラブ被占領地の労働者の状況や児童労働に対する取り組みに関する報告書の討議も行われます。
 総会の取材を希望される報道機関の方々は、申込用紙を用いて事前登録の上、身分証明書または旅券、記者証、所属機関の取材指示書を提示して、ジュネーブのILO本部で記者バッジを受け取る必要があります。国連に登録されているジュネーブ駐在員の方々に対しては、ILOのスポークスパーソンが総会取材用のバッジを5月28日から配布します。

  三つのステップで若者の失業を抑制英語原文
    2012年5月15日(火)発表ILO/12/29

 5月14〜16日の日程で中国・上海市で開かれている国連教育科学文化機関(UNESCO)の第3回技術職業教育・訓練(TVET)国際会議で演説したILOのホセ・マヌエル・サラサール=シリナチス雇用総局長は、現下の若者の雇用危機に取り組む鍵として、教育訓練、起業家精神の促進、雇用サービスの強化の適正な組み合わせを挙げました。
 世界全体で7,500万人と推計される若年失業者を支援する取り組みを成功させる第1の要素として、総局長は、座学と職場訓練を組み合わせる必要性を指摘し、若者の失業率が低いドイツ、オーストリア、スイス、デンマークなどの欧州諸国で見られる技術職業教育・訓練機関における理論研修と企業内実務研修を組み合わせたプログラムの例を紹介しました。雇用創出を成功させる第2の要素としては技術・職業訓練への起業家精神の組み込みを挙げ、学生が自分で起業することを想像する手助けをすることによって技術訓練の魅力が高まる可能性を示しました。第3の要素である雇用サービスは仕事への移行をより円滑化するとして、優良な雇用サービスの利用によって、とりわけ雇用サービスが技術職業教育・訓練機関及び使用者と直接協働している場合、求職期間の短縮が示されていることを紹介しました。
 総局長はまた、現在の傾向を抑えるためには、官民パートナーシップに加え、政府省庁間の調整が必要不可欠であることを指摘しました。さらに、技能開発は国や労働者が危機の影響を克服する助けになるだけでなく、人口動態上の変化や技術変革、技能ミスマッチの問題、才能を求めての世界的な競争の変化などといった世界中の労働市場に影響を与えている長期的な動向に対する準備態勢の構築にもつながる事実を強調した上で、成長・開発戦略を成功させるには、人材開発を確固とした基盤とすべきことを訴えました。

 ILO新刊発表予告:世界の雇用情勢−若者編2012年版英語原文
    2012年5月15日(火)発表ILO/12/28

 ILOは来週、定期刊行物『Global employment trends for youth(世界の雇用情勢−若者編・英語)』2012年版を発表します。若者の労働市場における状況を世界的観点から分析する本書は世界の多くの場所で若者に影響を与えている継続する雇用危機の状況を検討し、状況改善に向けたILOの政策を提案しています。昨年10月に出された前回の版の統計数値を更新し、若者の失業率の新たな推計値を世界全体及び地域別で示しています。
 5月21日にジュネーブの国連欧州本部で開かれる記者発表会では、報告書を作成しているILO雇用総局のホセ・マヌエル・サラサール=シリナチス総局長が報告書の内容を紹介します。
 報告書は5月21日GMT23時1分(日本時間翌22日午前8時1分)の報道解禁時間以降にILOのホームページ上で公表されます。
 5月30日に開幕する今年のILO総会では、若者の失業問題が主要議題の一つになっています。ILOはこの討議に若者の声を反映するために世界各地で国内協議会を開き、来る5月23〜25日には100人以上の若者の参加を得て、ジュネーブのILO本部で若者の雇用に関する世界フォーラムを開催します。

 ILO若者の雇用世界フォーラムを開催英語原文
    2012年5月14日(月)発表ILO/12/27

 5月30日に開幕する今年のILO総会では、若者の失業問題が主要議題の一つになっています。ILOはこの討議に若者の声を反映するために世界各地で国内協議会を開き、来る5月23〜25日には100人以上の若者の参加を得て、ジュネーブのILO本部で若者の雇用に関するグローバルなフォーラムを開催します。
 フォーラムには世界各地の労使団体の若手代表、若者団体代表などが参加して、現在の雇用情勢に関する経験と意見を共有し、若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進につながった実践的な成功例について話し合う予定です。フォーラムでは、若者の雇用危機の影響を地域別に検討し、若者がディーセント・ワークを実現できる方法を探り、若者のより多くのより良い雇用に向けたパートナーシップの構築を図ります。

 貧困率の低下割合が先進国より途上国で大きい理由英語原文
    2012年5月14日(月)発表ニュース

 先般発表されたILOの年次刊行物『World of work report(仕事の世界報告書・英語)』2012年版は、過去数年間に社会政策に力を置いた国を中心に約4分の3の途上国で貧困率が低下したのに対し、先進国では日本を含み36カ国中17カ国で上昇し、8カ国でほとんど変わらず、低下したのはわずか11カ国であったことを示しています。
 好成績を示した国の中では中南米とアジア諸国が傑出しており、条件付現金給付計画の拡大などを講じたブラジル、全国農村雇用保障制度を拡大したインドなど、社会移転と直接的な貧困撲滅策という社会政策を通じた貧困に対する取り組みが成功しています。
 報告書の著者らは先進国の状況について、不安定な臨時雇用や低賃金雇用の増加、若者の失業問題の悪化などといった労働市場の動向と関連づけて説明しています。オーストリア、カナダなどの例に見られるように社会移転の減少につながった緊縮措置も一因として挙げられています。報告書はさらに、貧困の増大がその世代間連鎖につながる危険性も指摘しています。また、保健医療機会や食物の入手機会、中小企業を中心とした資金調達機会など、危機によって所得以外の点でも不平等が拡大していることを示しています。

 欧州は高齢者の保健医療・介護をまだ負担できるか英語原文
    2012年5月11日(金)発表ニュース

 英国では今週年金を巡るストが発生しましたが、ゆっくりと燃焼している高齢化の導火線は公共支出と社会のムードの両方に強い影響を与えます。状況は保健医療と介護の場合特に深刻で、高齢者の面倒を見る世帯にかかる金銭的負担は一層警戒すべき状態にあります。
 国内総生産(GDP)に占める割合で見ると高齢者に対する公的医療保健の提供は年金に次ぐ大きな支出であり、欧州連合(EU)では2007年に対GDP比6.4%であったのが2060年には8.6%に上昇し、介護支出も2007〜2050年の期間に2倍以上に膨れる可能性があります。最近ILOから発表された『Can the European elderly afford the financial burden of health and long-term care?(欧州の高齢者は保健医療と長期介護の金銭的負担を担えるか・英語)』と題する研究作業文書は、貧しい人々は富裕層よりも介護支出が多く、女性や独居老人は介護費用を自費で賄う危険性が最も高いことを示しています。
 医療保健がすべての国民に提供されている欧州でも社会的保護制度はしばしば、特に長期介護の保護範囲と給付の点で不十分で、高齢人口の最大95%程度までが自費負担分の保健医療費があり、これは困窮の原因となっている可能性があります。金銭的問題に加え、高齢者にサービスを提供する高技能労働者の不足によるサービスの入手可能性の問題もあり、これは医療・介護労働者の労働条件改善によって対処できる可能性があります。高齢化の進行と共に問題は今後さらに増す可能性が高く、十分な給付が提供されるよう社会的保護の対象を全国民に広げ、保健医療・介護のための社会的保護制度をより効果的かつ効率的にする必要もあります。
 インタビュー形式で発表されたこの広報記事では、上記研究作業文書の共著者の一人であるILOのクセニア・シャイル=アトルンク保健政策調整官が、高齢者のケアがこれほど問題になっている理由、高齢者の中でも最も脆弱な人々とは誰で社会的保護制度は高齢者に十分な金銭的保護やサービスを提供しているか否か、将来展望、高齢者の状況を改善するための方法、貧しい高齢者・脆弱な立場にある高齢者の医療・介護機会を改善する方法について語っています。高齢者のニーズに応えるため、シャイル=アトルンク保健政策調整官は介護制度をさらに開発することや家族内の介護の担い手に給付を提供するなどしてインフォーマルなケアを円滑化すること、アクセスにおける不平等に対処する方法などを提案しています。

 若者の雇用に関する世界規模の協議で舞台の中心に立つのは若者英語原文
    2012年5月10日(木)発表ILO/12/26

 記録的な水準の若者の失業問題を背景に、5月30日に開幕する今年のILO総会では若者の雇用危機が主要議題の一つになっており、加盟国政労使の話し合いを通じてこの問題を前進させる方法が提案されると見込まれます。総会の討議に当事者である若者の声を反映させるべくILOは来る5月23〜25日にジュネーブで若者の雇用フォーラムを開催し、世界各地で若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進に積極的に関わっている若者100人以上の参加を得て、その見解を聞くことになっています。
 フォーラムに先立ち、今春、世界45カ国以上で若者の雇用に関する国内協議会が開催され、若者団体、労使団体の代表が政策策定に携わる人々やILOの専門家と、深刻化が続く若者の雇用危機に取り組む方法に関して意見を交換し合いました。アディスアベバからアンカラに至る各地で、人間らしく安定した雇用を見つける機会に関して若者の意見が表明され、経験交流が図られました。現実のイベントに加え、ツイッターフェイスブックといったソーシャル・メディア・ネットワークを通じた議論も展開されています。
 ベイルートの国内協議会では、より多くの自由、人間らしい職、平等、社会正義を求めるアラブの若者の願望が表明されましたが、これはほとんどのアラブの人々に共通の願いであると言われます。バングラデシュのある若者は、学校教育を受けた若者が雇用市場に参入する上で問題に直面している理由として雇用や訓練に関する情報が得られないことを挙げました。グルジアの協議会では、若年者就業の問題に効果的に対処するためには公共職業安定機関の能力を高める緊急の必要があることで参加者間の合意が達成されました。ザンビアの若者は、金融、科学技術、市場へのアクセスが限られていることが同国における若者の失業の発生に寄与していると強調しました。インドの大学生は、不安定で低賃金の仕事が支配的であることや人間らしい仕事の不足を含む、若者が直面している課題に取り組むために政策を見直すことを政府に求めました。ペルーの協議会では若者の失業率がより年長の人々の失業率の3倍近いことが指摘されました。世界社会正義の日記念シンポジウムの一部として2月22日に日本で開かれたパネル討議では若手労使代表、就職活動中の学生をパネリストに、若者が見た日本の雇用とその課題について討議が行われました。

 仕事なしにアフリカの真の成長はない英語原文
    2012年5月10日(木)発表ILO/12/25

 2012年5月9日から3日間の日程でエチオピアの首都アディスアベバで開かれている世界経済フォーラムのアフリカ年次総会に出席したILOのジュディカ・アムリ=ローソン・アフリカ総局次長はアフリカ諸国の官民両部門及び市民団体のリーダー700人以上を前に、アフリカの成長物語を今日及び将来世代の機会の共有に変えるカギを握るのは「若者の就業能力の改善、雇用促進的なマクロ経済政策の導入、金融・ベンチャーキャピタル及び公共事業計画の提供、良質の仕事に対する投資」であると訴えました。
 世界が経済危機からの回復に苦闘する中、サハラ以南アフリカ諸国は堅固な成長を示し、その経済成長速度は世界でも最も速いものの一つに数えられています。しかし、生産年齢人口の7割以上が仕事がないか脆弱な就業形態にあるといったように雇用情勢、とりわけ若者の失業問題は依然として最大の懸念事項の一つです。アフリカの若者の失業問題は、人口の7割が30歳未満という若年人口の多さ、国内労働市場の弱さ、相変わらず高い貧困率によってさらに深刻化しており、特に若者の4人に1人が仕事のない北アフリカの若者の失業率は世界一の高さになっています。失業に加え、アフリカの若者は、より年長の労働者よりも不完全就業状態にあり、働く貧困層(ワーキング・プア)に陥る可能性も高いという問題もあります。最近北アフリカで発生した社会動乱では若者が決定的に重要な役割を演じ、労働市場に入り留まる若者の権利に対処する緊急の必要性に改めて光を当てることになり、開発戦略の中で雇用、そして特に若者の就業を優先事項に掲げるアフリカの国は32カ国に上っています。会議では、若者を労働力に組み込み、労働生産性を高めるために技能と教育に投資し、雇用潜在力が大きな産業部門を促進する戦略に関する話し合いも行われています。
 5月30日に開幕する今年のILO総会では、若者の失業問題が主要議題の一つになっています。ILOはこの討議に若者の声を反映するために、世界各地で国内協議会を開き、来る5月23〜25日には100人以上の若者の参加を得て、ジュネーブで若者の雇用フォーラムを開催します。

 危機から回復するカギは社会的保護と訴えるILO事務局長英語原文
    2012年5月9日(水)発表ILO/12/24

 フアン・ソマビアILO事務局長は国際経済社会評議会同等機関連合(AICESIS)と共催して2012年5月8〜9日にILOがジュネーブで開いた「包摂的で公正なグローバル化のための社会的保護の床と社会対話の役割」をテーマとする国際会議で演説し、拙速に採用された緊縮計画によって作り出された「莫大な」社会的費用と緊張状態に光を当てつつ、経済需要を高める社会的保護は危機から回復する取り組みにおいて「非常に基本的なツール」であると語りました。そして、人々を保護し、労働市場への移行を可能にする力を付けさせ、景気の安定化装置として機能する社会的保護の「多次元的な影響力」を強く訴え、最も脆弱な人々に対する社会的保護は減税と違って人々の暮らしと経済に即座に影響を与えることを強調しました。また、金融市場に圧迫されて一部の政府が相談もせずに拙速に採用することを余儀なくされている緊縮計画が莫大な社会的費用を生み出しているとして、ストライキや社会の雰囲気の悪化などのマイナスの影響が既に見られることを挙げ、より均衡の取れた新しい解決策を提供するために社会対話の強化と新たな政策手法の採用を呼びかけました。
 5月30日から始まる今年のILO総会では、世界の人々の75〜80%に社会保障が適用されていない事実に基づいて考案された「社会的保護の床(最低限の社会的保護)」に関して加盟国の手引きとなるような勧告の採択に向けた話し合いが行われます。

 労働基準はなぜ重要か:ILO総会で労働における基本的な原則と権利について討議英語原文
    2012年5月8日(火)発表ニュース

 5月30日に開幕する今年のILO総会では、労働における基本的な原則と権利が議題の一つになっています。この討議資料として先般発表された報告書『Fundamental principles and rights at work: From commitment to action(労働における基本的な原則と権利:公約から行動へ・英語)』は、結社の自由と団体交渉、強制労働・児童労働・差別の撤廃といった、労働における基本的な原則及び権利を巡る世界の現状をまとめています。
 ILOのティム・デ・メイヤー国際労働基準・労働法上級専門官はこの基準がより公正なグローバル化にとってなぜ重要で、貧困緩和及び生活改善にどう結び付けられるかについて、11歳で小学校を中退した少女の例を挙げて説明しています。
 16歳で海外の部品製造工場に働きに出た少女は、当初約束された賃金の半分ももらえず、就業を継続するためには妊娠やHIV(エイズウイルス)/エイズの検査を義務づけられ、18歳未満の児童には禁止されている化学薬品を仕事で使っているためにめまいや手指のしびれを感じています。そこで、同僚と一緒に経営陣に立ち向かおうとすると全員が解雇されます。この例は、労働者の、労働を強制されない権利、性や健康状態に基づく差別を受けない権利、児童労働に従事しない権利、労働者の権利と権益を擁護するために団結し、集団で交渉できる権利の侵害を示しています。こういった権利は人間の尊厳、経済・社会の発展、主権国家の長期的な政治の安定にとって基本的なものと考えられ、より人間的な労働条件を求める民衆の要求に政府が留意しなかった場合、人々が行う最も初期の不満の表明の中で顕著な存在感を示します。
 ILOではこれらの基本的な原則と権利に関し、以下の八つの条約を制定し、その実現を確保し、人々の生活改善を図るため、2015年までにすべての加盟国が批准することを目指したキャンペーンを展開しています。  日本は第105号と第111号を除く6本の条約を批准しています。

 フランス新大統領にとっての重要目標は雇用促進英語原文
    2012年5月7日(月)発表ニュース

 フランスの大統領選挙では、財政緊縮措置よりも景気刺激策を掲げて選挙運動を展開してきた社会党のフランソワ・オランド氏が5月6日の決選投票を制し、1995年以来の社会党政権が誕生します。最新の統計によればフランスの失業率は10%、失業者数は260万人を超え、特に若者(15〜25歳)の失業率は2倍以上の約22%に達しています。選挙結果を受けて、ILOの研究機関である国際労働問題研究所のレイモン・トレス所長は、「今重要なことは仕事を豊かに生む成長を刺激し、低賃金職の負担が軽くなるように社会的保護財源の累進性をもっときつくするよう確保し、若者の失業に取り組む特別計画を採用すること」として、緊縮財政の罠から抜け出し、成長・雇用戦略に向けて進むことを提案しています。
 トレス所長は最近出されたILOの年次刊行物『World of work report(仕事の世界報告書・英語)』2012年版の中心的な著者でもありますが、同書は、「財政緊縮策は成長と雇用を弱体化させる一方で財政赤字目標の達成をますます困難にする」として、意図する効果が達成されないことを示しています。所長は、フランスの財政状態と競争力について「一部近隣諸国よりはまだまし」と評価していますが、「前進には大幅な政策転換」が求められるとして、この2年余りの間、一部欧州諸国の政策に特徴的な緊縮財政の罠から抜け出し、成長・雇用戦略に乗り出すことを提案し、中心的な雇用創出源である小企業のための金融市場を再び始動させることをこの目標を達成する上で決定的に重要と唱え、そのための方法として、ドイツのように小企業に貸付を行う既存の銀行に対する保証を強化することや同国が比較優位を有する産業部門やサービスを中心とした実体経済に対する投資の増大に焦点を当てた新たな信用機関を創出することを提案しています。また、欧州連合(EU)加盟国は労働市場の規制緩和を差し控えるべきとして、この点で、オーストリアのような改革の成功例に見られるように社会対話が効果的な手段であることを示した上で、「長い目で見れば設計のまずい規制は再検討すべき」としつつも現在のような危機的状況下では規制緩和は雇用創出を促進せずにむしろ雇用喪失を悪化させるとしています。
 トレス所長は教育の重要性にも言及し、世界屈指の優れた高等教育制度を備えながら失業している若者が多いフランスの現状に対し、スウェーデンのように、正規の雇用に就いていない若者が学校に戻る機会を与えられ、学習と就労体験を組み合わせたり、就職活動に対する見返りとしてその他の支援を受けられるような「労働力化保証措置」を導入することを提案しています。そして、フランスは実際の投資の低下傾向を食い止めるよう迅速に動く必要があるとして、社会的に責任ある総合財政強化策を採用し、それを成長・雇用戦略で補い、より累進的な課税制度を導入することによって仕事と財政の両方の不足を和らげることができるだろうと語っています。
 ILOは上記報告書と共に、日本米国欧州連合ドイツイタリアスペイン中南米について、この1年間の雇用情勢を簡単にまとめた概況文書を発表しています。

 米国の企業収益は危機前の水準に戻ったものの雇用市場の動きはまだ鈍い−ILO『仕事の世界報告書』米国概況英語原文
    2012年5月4日(金)発表ニュース

 米国の就業者数は2011年12月から2012年2月まで毎月20万人増と好調な伸びを見せてきましたが、3月に12万人増に落ち込み、5月4日に同国労働省労働統計局が発表した雇用統計によれば、4月の伸びはわずか11万5,000人増に留まり、失業率は3月の8.2%とほとんど変わらない8.1%になっています。
 ILOは4月29日に発表した年次刊行物『World of work report(仕事の世界報告書・英語)』2012年版で、中小企業の資金調達状況に関するものを中心に、企業が直面している経済の不確実性を減らすことによって投資を押し上げる必要性を唱えていますが、報告書と同時に発表した米国の概況文書の中で、米国では企業収益が生産の合理化を経て危機前の水準にまで回復したにもかかわらず、企業投資の対GDP(国内総生産)比は危機前平均の約20%を依然下回っているとして、経済の不確実性と外部的な資金調達機会の制約に直面した企業が追加的な投資リスクを取ることに後ろ向きで、代わりに流動資産の積み増しに走っていることを示しています(総資産に占める保有現金比率は大企業で2006年約4.2%→2010年5.3%、中企業で2006年5.2%→2010年約6.2%)。その上で、米国経済が危機前の雇用水準に戻るにはまだ400万人分近い雇用を創出する必要があるとしていますが、これは今後5年間で毎年150万人ずつ増えていく求職者数を考慮に入れない数です。そして、包括的な雇用プランへの移行を回復に向かう道に位置づけ、この点で、2011年9月に発表された米国雇用法を歓迎すべき前進の一歩として評価しつつも、法案の主な要素がまだ議会で膠着状態にあることに鑑み、すべての利害関係者が協調した行動を取ることを求めています。
 昨年末の国勢調査局の発表によれば米国の貧困層は5,000万人近くに達し、貧困線をわずかに上回る人の数も従来考えられていたよりも多いことが判明しています。概況文書はさらに、上手に設計された公共投資が民間投資を押し上げ、より多くのより良い雇用の創出を支える助けになる可能性や、求職者を支援し、人々が貧困状態に陥ることを防ぐ上で社会的保護の改善が決定的に重要であることを指摘した上で、この経済の弱さと雇用なき回復に対し、貧困対策のさらなる強化が求められるとしています。
 ILOは米国の他に、日本欧州連合ドイツイタリアスペイン中南米について、この1年間の雇用情勢を簡単にまとめた概況文書を報告書と共に発表しています。

2012年4月発表分

 労働市場に回復の兆候なしと警告−ILO新刊英語原文報告書概要日本についての概況
    2012年4月29日(日)発表ILO/12/23

 ILOはこのたび発表した年次刊行物『World of work report 2012: Better jobs for a better economy(仕事の世界報告書2012年版:より良い経済のためのより良い仕事・英語)』で、幾つかの地域で経済成長再開の兆しがあるものの、危機前に比べてまだ5,000万人分余りの仕事が不足しているといったように雇用情勢は世界的に警戒すべき状態にあり、近い将来回復する兆しが見られないとして、世界がより大きな問題をはらむ新たな雇用危機の時代に突入しつつあることを警告しています。報告書はこの理由として、1)先進国を中心に多くの政府が優先事項を財政緊縮と労働市場改革の組み合わせに移し、2)先進国では多くの求職者が意欲をなくし、技能を失いつつある一方で、小企業は資金調達機会が限られ、投資が抑制され、雇用創出が妨げられており、3)ほとんどの先進国で新たに創出されている仕事の多くが不安定雇用であり、4)サハラ以南アフリカと中東・北アフリカを中心に世界の多くの場所で社会の雰囲気が悪化していることを挙げています。そして、欧州におけるものを中心とした最近の改革の幾つかが雇用創出に失敗している一方で雇用の安定性を低下させ、不平等を悪化させたことを示して、労働市場の規制緩和と財政緊縮の組み合わせは短期的な雇用展望の促進に結びつかないと記しています。一方で、雇用に優しい租税政策の組み合わせと公共投資や社会給付支出の増大が実施されれば、先進国では来年にかけて200万人分近い雇用が創出されようと唱えています。
 報告書が見出したこの他の事項には以下のようなものがあります。  ILOは報告書と同時に米国や欧州など複数の先進国について概況を発表しましたが、日本については、2011年の東日本大震災は既に弱かった世界危機からの回復力に相当の影響を与えたとして、非労働力率が2011年に40.7%(2009年40.1%)に上昇したこと、就業率が低下したこと(2007年第3四半期58.3%→2011年第3四半期56.6%)などを記して労働市場の状況が依然弱いことを示した上で、公共支出の削減が社会に相当否定的な影響をもたらす可能性を指摘し、雇用目標を満足しつつ財政不均衡に取り組むことは可能として、景気再生に不可欠な公共支出のために、貧困世帯の可処分所得への支援措置を伴う税収増を通じた予算強化を提案しています。
 ブラジル、インドネシア、ウルグアイなどインフォーマルな就業形態を減らしつつ、就業率の上昇を達成した国の例に見られるように、主として巧みに設計された雇用・社会政策の導入を通じて雇用の質を改善しつつ雇用を創出すること、あるいはそのいずれかに成功した国もあります。報告書を作成したILO国際労働問題研究所のレイモン・トレス所長は、多くのユーロ圏諸国が財政緊縮に狭い焦点を当てていることが雇用危機を悪化させ、欧州の新たな景気後退を導く危険性があるのに対し、仕事を中心に据えたマクロ経済政策を選択した国は経済・社会面でより良い結果を達成していることを指摘してこれらの国の経験から学ぶことを提案しています。
 本書は2009年版以降、『世界労働レポート』の邦題で、(株)一灯舎から日本語版が発行されています。

 市場開放だけでは良質の雇用は創出されないとILO英語原文
    2012年4月25日(水)発表ILO/12/22

 カタールの首都ドーハで4月21〜26日の日程で開かれている第13回国連貿易開発会議(UNCTAD)総会の日程の中で24日に開かれた「国際貿易体制と包摂的な開発の考察パネル討議」に参加したILOのホセ・マヌエル・サラサール=シリナチス雇用総局長は、開放された市場がより多くのより良い仕事に転化するには生産的な完全雇用を国際貿易体制の主目的としなくてはならないと訴えました。
 労働者や企業に対する影響を緩和する政策を導入せずに貿易自由化に進んだ場合、「破壊的な破壊」、すなわち、幾つかの企業が閉鎖を余儀なくされ、投資が枯渇し、調査研究や品質改良の試みが減り、雇用が失われるといった環境が形成されると説いた上で、総局長は、輸出成長の成功例の多くは単なる貿易自由化の話ではなく、複数の構成要素が働くもっと複雑で多元的な物語を提示するとして、貿易の雇用面における結果を改善する方策として、1)生産的な完全雇用と生産能力の促進にもっと注意を払うこと、2)産業政策と輸出・投資促進政策を協調的に進めること、3)労働市場に適応の時間を与えるよう貿易改革は徐々に導入すべきこと、などを提案しました。貿易自由化がしばしば不平等の拡大に転じる主な理由として、総局長は、「雇用に対するプラスの影響が欠けていること」を挙げ、「より公正でより包摂的なグローバル化を達成したいと望むならば、貿易開放と社会的保護を補完的な政策とみなすべき」と唱えました。
 サラサール=シリナチス雇用総局長は25日にはフアン・ソマビアILO事務局長を代理して一般討議に参加し、労働者の訓練とその技能向上を中心とした人と基盤構造への投資をもう一つの重要な要素として強調しました。そして、若者に特に影響を与えている今日のような高失業情勢下における最も切迫した問題の一つとして、「企業が必要な高技能労働力を見つけだせるよう確保し、労働者が自らの技能に対応した仕事を探せるよう確保すること」を挙げ、企業と経済の成長、若者が仕事を見つける上でこのミスマッチの縮小が決定的に重要と説きました。

 4月30日ILO新刊発表予告−『仕事の世界報告書』2012年版英語原文
    2012年4月23日(月)発表ILO/12/21

 ILOは来る4月30日に年次刊行物『World of work report(仕事の世界報告書・英語)』の2012年版を発表します。今年の報告書は「より良い経済のためのより良い仕事」を副題に、世界危機が2008年に開始して以降の各国の労働市場の実績を仕事の質と量の二つのプリズムを通して検討しています。欧州連合(EU)諸国を中心に幾つかの国で実行された財政緊縮策と労働市場改革の効果を点検すると共に政策論議においては非常に顕著に取り上げられる雇用目標が政策実務の場で無視される場合が多い理由についても論じています。また、100カ国以上を対象に社会不安の度合いを測定した「社会不安指数」を含み、危機が社会にもたらす影響や貧困の世代間連鎖、危機回復時における社会政策の役割についても検討しています。
 報告書と関連広報資料は4月29日GMT23時1分(日本時間翌30日午前8時1分)以降にILOのウェブサイト上で公開になります。4月27日14時からジュネーブの国連欧州本部において報告書を作成したILO国際労働問題研究所のレイモン・トレス所長による記者会見も行われます。
 また、本書は2009年版以降、『世界労働レポート』の邦題で、(株)一灯舎から邦訳が発行されています。

 ILO/世界銀行−世界金融・経済危機に対応した各国政府の雇用喪失防止、技能向上に向けた動きを総集英語原文
    2012年4月19日(木)発表ILO/12/20

 ILOと世界銀行は最近の世界金融・経済危機に応えて各国政府が講じた雇用関連政策を包括的にまとめた初のオンライン・データツールを開発し、これを用いて作成した報告書をこのたび発表しました。2009年に開かれた主要20カ国・地域(G20)のピッツバーグ・サミットで出された要請に応えて開発されたデータベースには、日本の緊急雇用対策など、2008〜10年の金融危機ピーク時に世界77カ国で策定された、危機が経済・社会に与える影響を制限し、雇用、世帯収入、経済成長を刺激し、貧困を削減することを目的とした労働市場介入策が収録され、今後の政策設計にも役立つようになっています。
 データベースに収録された各国の政策を概説した共同報告書『Inventory of policy responses to the financial and economic crisis(金融・経済危機対応政策総覧・英語)』は、今回は過去の危機時と異なり、ほとんどの国で景気下降の影響を緩和するために政府が相当に介入したことを見出しました。大半の国で、景気を刺激する拡張的な財政・金融政策が用いられただけでなく、雇用の保護または創出、技能保持、求職者と企業のマッチング円滑化、失業者・脆弱な立場の人々の所得保護といった直接介入策が講じられました。ワークシェアリングを実行する時など多くの場合で社会対話が政策対応を導く助けになりました。需要面では、高所得国では企業の資金調達の円滑化に焦点が当てられたのに対し、中・低所得国では直接的な雇用創出と雇用奨励策が優先されました。供給面では、すべての国で技能・訓練措置に高い優先順位が付されましたが、若者に対する支援を講じる資金的な余裕があるのは高所得国でした。
 途上国を中心に、危機に対処する準備態勢の整備状況については問題があり、例えば、社会保険の適用状況は全体的に低く、危機時に社会保障計画を拡張する余裕は多くの国で存在せず、失業給付の増額・給付期間延長などの政策もフォーマル・セクターの労働者にしか有益でなかった可能性があります。職業安定組織や訓練、賃金補助といった積極的労働市場計画も一般的に用いられましたが、その設計と実施を改善する方法に関しては多くの教訓が得られました。また、労働市場や労働者に対する危機の影響を追跡するデータは多くの国で欠けています。
 報告書は今後に向けて各国が焦点を当てるべき点として、以下のような事項を提案しています。
  1. マクロ経済政策と部門別政策の調整改善
  2. 社会保険の適用範囲をすべての働く人々に広げること
  3. 安全網の統合と強化
  4. 労働需要を刺激するために用いられるものを含む積極的労働市場計画の設計再考
  5. 労働市場情報システムへの投資
  6. 社会対話の促進
  7. 就労に関わる権利の侵害を避けるための監視強化
 データベースと報告書は、現在ワシントンDCで開かれている国際通貨基金(IMF)と世界銀行グループの2012年春期会合の特別イベントとしてILOと世界銀行が共催して4月20日に開かれる雇用と危機対応政策に関する討議会の中で発表されます。

 息をのむ速度で拡大中の小規模保険−ILO/ミュンヘン再保険基金新刊英語原文
    2012年4月10日(火)発表ILO/12/19

 ILOとミュンヘン再保険基金がこのたび共同刊行した小規模保険に関する刊行物は、過去5年間に小規模保険制度は大幅に増大し、2007年に世界全体で7,800万人だった適用者数が今では推計5億人近くに達していることを示しています。2006年に出された第1巻を補足・改訂する形で刊行された『Microinsurance compendium: Protecting the poor(小規模保険概論:貧困層を保護する・英語)』第2巻は、保険数理士や経済学者、公共政策・開発専門家など幅広い著者の手による26章で構成され、小規模保険の動向、社会的保護としなやかな回復力の構築に対する小規模保険の貢献、健康保険・生命保険・農業保険とその分布、小規模保険の事業上の論拠や顧客価値といった多様なテーマが取り上げられ、小規模保険の育成に必要な多様な視点をまとめたものになっています。
 小規模保険とは、貧しい人々をその支払い能力と選好に合わせた保険料の支払いを受けて、事故、疾病、家族構成員の死亡、自然災害、財物損壊などの様々なリスクから守ることを目指している仕組みを指しています。ILOは2008年から米国のビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の資金協力を受けて、途上国の低所得世帯に得られる質の高い保険の入手可能性を高めることを目的に、小規模保険イノベーション・ファシリティーという技術協力計画を実施しています。この計画を通じて得られた数多くの革新的な試みに関する情報も今回の刊行物に盛り込まれています。例えば、銀行、小売店舗、携帯電話会社など、ますます多様な経路を通じて低所得世帯向けの様々なリスクの新商品の開発・普及が試みられていること、商業保険会社の低所得市場への参入も進み、今では世界上位50社のうち少なくとも33社が小規模保険商品を提供していることなどが示されています。
 小規模保険が最も普及している地域はアジアで、市場の約8割を占め、中南米(世界市場シェア15%)、アフリカ(同5%)が続きます。アジアの中でもインドと中国の存在がずば抜けて大きく、小規模保険適用者の6割がインドに住むと推計されます。アジアで小規模保険の普及が進んでいる理由には、高い人口密度と人口の多さ、官民保険業者の関心、適正な流通経路、政府の積極的な支援などが含まれます。
 小規模保険イノベーション・ファシリティーのクレイグ・チャーチル・チームリーダーは、「2008年以降、より多くの低所得者層に将来性のある保険サービスを提供するという課題を克服する数多くのイノベーションが見られるようになってきた」とした上で、「今後は保険商品が貧しい人々の脆弱性を減らすことに成功できるよう、有効性を高めることに注力すべき」と語っています。

 中南米の若者、雇用危機について語る英語原文
    2012年4月5日(木)発表ILO/12/18

 5月30日に開幕する今年のILO総会の主要議題の一つである若年者雇用に関する討議に若者の声を反映するために世界各地で開催されている40以上の協議会の一環として、中南米・カリブ地域では、3月13日のアルゼンチンを皮切りに、ホンジュラス、メキシコ、チリなど11カ国で若者の声を聴く国内協議会が3〜4月に開かれています。
 3月23日にILO中南米・カリブ総局がペルーの労働・雇用促進省などと共催して同国の首都リマで開いた若年者雇用全国フォーラムには様々な部門の若者代表が出席し、雇用危機に関する懸念を表明すると共にペルーにおけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進に向けた解決策を話し合いました。3月29日にエルサルバドルで開かれた「エルサルバドルの若者のためのディーセント・ワーク」全国フォーラムには150人以上の若者が参加し、自らの及び同国の労働事情を検討し、意思決定者らと意見を交換しつつ、状況改善に向けた自らの考えを披露しました。公的機関や非政府組織(NGO)が行っている若者の雇用促進活動も紹介されました。フォーラムでは、エルサルバドルの若年者雇用の状況や政府の関連する事業計画・政策、若者の雇用機会や労働条件に関する話し合いに加え、若者のエンパワーメントやディーセント・ワーク機会の促進に向けた好事例の紹介も行われました。
 世界全体で7,500万人の若者が失業し、1億5,000万人以上が1日1.25ドル未満で暮らしていると推計されます。若者の失業率はより年長の人々の約3倍に達しています。中南米・カリブ地域では都市部の失業率がより年長の人々では約5%であるのに対し、若者では14.9%になっています。ペルーの若年失業者は44万1,000人を上回り、失業者全体の3分の2に相当すると推計されます。適正な教育とディーセント・ワークの機会に恵まれていない若者は100万人を超えると見られます。ペルーの若者人口(15〜29歳)は820万人ですが、うち400万人が現在働いていても不安定な状況にあると見られます。
 エリサベト・ティノコILO中南米・カリブ総局長は、若者の雇用創出を問題に対する解決策と見るべきではなく、私たちの国々の大きな機会を活用する一つの手段と見なすべきと訴えています。
 総会での議論に反映される若者の声は、フェイスブックツイッターといったソーシャル・メディア・ネットワークを通じても募集しています。

 アルメニア、アゼルバイジャン、グルジアで若者が雇用危機に関する見解を共有英語原文
    2012年4月4日(水)発表ILO/12/17

 5月30日に開幕する今年のILO総会の主要議題の一つである若年者雇用に関する討議に若者の声を反映するために世界各地で開かれている40以上の協議会の一環として、3月にコーカサス地方3カ国で若者団体の出席を得て国内若者協議会が開催され、地域に重くのしかかっている若者の雇用危機の問題に対する懸念を表明し、可能な解決策を共有する機会が若者に提供されました。
 3月14日に開かれたアルメニアの協議会では、若者が労働市場で直面している数々の障害が強調され、若者が職探しをする上での最大の問題は、使用者が主要な障害と見ている経験不足であることが指摘されました。キャリア選択肢としての若者の起業も取り上げられ、アルメニア共和国使用者連合のガギク・マカリアン会長は起業家となることを希望する若者の開業を支援する革新的な事業計画を紹介しました。協議会に出席したアルメニアのアライク・ペトロスヤン副労働大臣は職業指向型の教育制度を構築する必要性に光を当てました。
 翌3月15日に開かれたアゼルバイジャンにおける協議会では、企業、とりわけ多国籍企業において労働組合結成と結社の自由を促進することによって若い従業員の権利を保護する必要性が組合の若手代表から指摘されました。さらに、農村部にも都市部にも関係し、すべての技能水準に関係する協同組合が若者に良い機会を提供することが強調され、協同組合は若者男女が経験を積み、技能を高め、資金を蓄積する助けになることが示されました。若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けた政策の実行において社会的パートナーが果たす必要不可欠な役割も強調されました。
 3月19日に開かれたグルジアの協議会では、若年者雇用の問題に効果的に取り組むため、公共職業安定機関の能力を強化する緊急の必要性があることで出席者の合意が達成されました。移住を希望している労働者や帰国した労働者の再統合を成功させる上でも公共職業安定機関には支援的な役割を演じられる可能性があることが指摘されました。労働市場で得られる仕事と技能のミスマッチの問題、安全で人間らしい仕事、移民労働者の保護、近隣諸国における労働力移動の影響などといった事項も取り上げられました。
 総会での議論に反映される若者の声は、フェイスブックツイッターといったソーシャル・メディア・ネットワークを通じても募集しています。

2012年3月発表分

 ILOとオーストラリア、3,100万ドルの東チモール・プロジェクトで技術協力を強化英語原文
    2012年3月29日(木)発表ILO/12/16

 ILOはこのたび、オーストラリア政府から3,100万ドルの任意資金拠出を受けて東チモールで道路輸送の大幅改善に向けた新規プロジェクトを開始します。3月29日に東チモールの首都ディリで開かれた署名式典で正式に承認されたこの4年間の「開発のための道路(R4D)」計画は一人当たり換算でアジア太平洋地域最大の基盤構造開発プロジェクトの一つに数えられ、ILOの技術支援を受けて東チモールの基盤構造省が実施します。
 プロジェクトを通じて約1,150キロの既存の農村道路の維持・復旧が行われ、国内全土にわたる移動性の改善が図られるほか、包括的な道路維持システムの開発によって復旧された農村道路の維持または維持支援が続けられます。R4D計画は農村部の人々に累計470万日分の労働機会を創出すると推計されており、最大5万2,000人の労働者とその家族がこの機会を活用し、1,400万ドルの現金が地元経済に注入されると見られます。雇用機会均等原則に則り、すべての仕事は男女に平等に提供される予定です。全体としてこの計画は、東チモールにおける基盤構造の復旧・維持において既に開発に成功している雇用集約的投資手法を後押しし、企業や人々に新たな機会を形成することが期待されています。
 オーストラリア政府とILOは2010〜15年を期間とする正式なパートナーシップ協定を締結しています。最初の2年間でオーストラリア政府が拠出した資金は約1,600万ドルに及び、ILOと国際金融公社(IFC)の共同事業であるベターワーク(より良い仕事)計画、労働法改革、太平洋の成長・雇用計画、東チモールの若年者雇用、グリーン・ジョブ、労働力移動の統治の6分野に投じられ、バングラデシュ、カンボジアなどアジア太平洋13カ国でミレニアム開発目標(MDGs)及びアジア太平洋のディーセント・ワークの十年(2006〜15年)に基づき加盟国が設定した目標値の達成を支援する活動が展開されています。
 グローバル化の時代においては「すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」という目標を貧困削減、持続可能な成長、公平で包摂的な開発の諸戦略の中核に据えなくてはいけません。アジア太平洋の人々及び地域社会の人間らしい暮らしの基礎になるディーセント・ワークに向けた戦略の開発・促進を可能にする上で、この東チモールの計画及びパートナーシップ計画を通じたオーストラリア政府の支援は非常に貴重、とフアン・ソマビアILO事務局長は語っています。

 東欧・中央アジアは持続可能な開発に今移行しないと将来高い代価を支払うことになる−国連新刊英語原文
    2012年3月23日(金)発表ILO/12/15

 トルコのイスタンブールで3月22日より2日間の日程で開かれた第1回人間開発グローバル・フォーラムの中で23日に発表された国連の新刊書『From transition to transformation: Sustainable and inclusive development in Europe and Central Asia(移行から転換へ:欧州・中央アジアにおける持続可能で包摂的な開発・英語)』は、東欧・中央アジア諸国に対し、持続可能な未来を確保するために化石燃料に対する補助金を撤去し、環境に優しい「グリーン・ジョブ」に投資し、最低限の社会的保護である「社会的保護の床」を構築する必要があることを指摘しています。
 ILOを含む13の国連機関が協力して作成した報告書は、持続可能な経済は競争力を高め、心臓血管・呼吸器系疾患を減らす可能性があることや有害な補助金を撤去してその節減分を公平性を増す方向に用いられることを示しています。そして、過去20年間に炭素排出量が大きく減った唯一の地域である一方で、所得不平等の拡大が最も大きい地域でもある東欧・中央アジア地域に対し、社会の公平性、経済成長、環境保護に一体的に取り組む統合的な政策策定への転換を呼びかけ、この転換を先に延ばせば延ばすほど、コストは高くなると唱えています。
 報告書に示される政策の方向性の基本的なステップには次のようなものがあります。  第1回人間開発グローバル・フォーラムには政府、企業、市民社会、国際機関のハイレベル専門家が出席して今日の人々と将来世代に持続可能な未来を確保するために必要な世界規模の政策変更について検討を行いました。報告書は、6月にブラジルで開かれる国連持続可能な開発会議(リオ+20)に対する政府、専門家、研究者、開発実務に携わる人々からの貢献として作成されました。

 政策策定における若者の声の必要性に光を当てたベイルートにおける協議英語原文
    2012年3月23日(金)発表ILO/12/14

 ILOは3月を若年雇用月間として、警戒すべき状態にある雇用情勢について40以上の国で若者の意見を聴くイベントを開催しています。3月12〜13日にレバノンの首都ベイルートで開かれたパネル討議では、中東・北アフリカにおける仕事の危機に関する若者の展望とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に焦点が当てられました。
 ILOがフリードリッヒ・エーベルト財団と共催した「アラブ諸国における若年雇用」に関する協議会では、技能、低い労働需要、移住の経済的・社会的コストなどの問題が取り上げられました。地域の政府・労使代表、研究者、若者団体の代表などの参加があったこの協議会ではまた、インフォーマル・セクターの急速な拡大がこの地域におけるディーセント・ワークの育成に影響を与えていることも指摘されました。ビジネス・スキルを育む訓練プログラムを修了した若者は、起業家精神が育まれ、雇用機会を創出する企業を設立に至る可能性が高いことを指摘する発言などを受け、技能訓練の改善や若者向けの起業家精神育成プログラムの促進などを含む、若者の失業問題に取り組むための政策提案や若者の声が政策策定に含まれることを確保する方法が検討されました。
 ナダ・アル・ナシフILOアラブ総局長は、「より多くの自由、働きがいのある人間らしい仕事、平等、社会正義を求めるアラブの若者の願い」が表明されたとして、「その要求はほとんどのアラブの民が共有している」と語りました。フリードリッヒ・エーベルト財団のサミル・ファラー駐レバノン代表は、アラブ地域の失業率が世界でも屈指の高さであることに触れ、より多くのより良い仕事が緊急に必要であることを強調しました。
 若年雇用は5月30日に開幕する今年のILO総会の主要議題の一つです。総会での討議に若者のアイデアと経験を反映させるために、ILOは3月の若年雇用月間及び5月23〜25日にジュネーブで開かれる若者の雇用フォーラムを通じて若者の意見を集めています。フェイスブックツイッターといったソーシャル・メディア・ネットワークを通じた若者の声の共有も行われています。

 ISSAとILOが「歴史的な」社会保障協力協定を締結英語原文
    2012年3月22日(木)発表ILO/12/13

 2011年のILO総会で行われた社会保障に関する討議の結論の中で、ILOは社会保障の分野で他の国際機関との協力を強めるよう求められました。これを受けて、国際社会保障協会(ISSA)との間で社会保障の拡大と促進を支援する協力関係の強化を目的とする正式な協定が3月22日に締結されました。社会的保護の拡大の面を中心に、ILOとISSAの各々の機能の補完関係と調整を強化できる可能性を認めるこの協定によって、両機関は事業計画面でも戦略面でもより密接に協力し合うことになります。
 ジュネーブのILO本部で開かれた式典でISSAを代表して署名したハンス=ホルスト・コンコレウスキー事務局長は、この歴史的な協定について、社会保障の「適用範囲の拡大に対する社会保障機関の重要な貢献と国際レベルでのISSAの独特の役割を認めるもの」と評価した上で次のように語りました。「両機関の古くからの戦略的なパートナーシップに新たな一章を開くこの覚書は、疑いなくISSAの会員とILOの加盟国政労使に利益をもたらし、社会保障を拡大する取り組みを世界的に強めることになるでしょう。専門的な職業上の基準と好事例の解決策を通じて卓越した社会保障行政を促進するという、この覚書が認めるISSAの重要な役割は、ILOが唱える縦横2方向の社会保障拡大戦略に対するISSAの支援活動のカギを握る要素となるでしょう」。ILOを代表して覚書に署名したアサン・ディオップ社会的保護総局長は、「我々は一緒に、近代的で力強い社会保障制度は、貧困、社会の不正義、社会の不安定性に取り組むための強力な手段であることを世界に認識させる助けになってきた」として、「2011年のILO総会で求められたILOとISSAの関係強化は個人的な優先事項」であったことを明らかにしました。
 覚書は今後の戦略面での主要協力分野として以下の五つを挙げています。
  1. 社会保障の制度能力の構築、管理運営、統治の強化に向けた技術助言サービスの提供
  2. 社会保障の適用範囲の拡大を促進する政策開発及び提言広報活動
  3. 社会保障に関する解析・統計データベースを含む知識と情報の収集・普及
  4. 社会保障行政向けの専門職指針の開発
  5. 社会保障政策・行政、その他の分野に関する能力構築と訓練
 ILOの後援を受けて1927年に設立されたISSAは、各国の社会保障機関、政府省庁が集う社会保障分野の中心的な国際機関であり、労働者の経済的保護及び健康保護のための社会保険制度の役割を強化することを目指しています。ISSAの事務局はジュネーブのILO本部内に置かれ、社会保障の開発においてILOと密接な協働関係を保っています。

 ILO若年雇用月間協議、トップバッターはルサカ英語原文
    2012年3月15日(木)発表ILO/12/12

 ILOは3月を若年雇用月間として世界各地で地元の若年雇用問題について若者の意見を聞くイベントを計45件開催する予定ですが、その最初の会合が3月6〜7日にザンビアの首都ルサカで同国の若者・スポーツ省とILOルサカ事務所の共催で開かれました。
 年恒例の若者起業家展示会に合わせて開かれたこの全国若年雇用促進イベントには商業大臣や多数の若者起業家も参加し、ザンビアの若年雇用問題について幅広い話し合いを展開し、同国の若者の失業を引き起こしている主な原因として、低い教育水準、技能不足、低い起業家精神レベルが指摘されました。金融、科学技術、市場へのアクセスが限られている問題も提起されました。若者らは学校の時代遅れのカリキュラムや、提供される訓練が一般に雇用市場の需要やニーズに合っていない技能ミスマッチの問題に大きな懸念を示し、民間部門におけるより多くのより良い仕事の創出を促進する経済政策の採用を政府その他の利害関係者に要求しました。ある中等学校生徒は、自分の将来に影響する事項に何も取り組まずに座して過ごすのではなく、議論に積極的に参加していこうと若者たちに呼びかけました。
 ザンビアは人口の68%が若者と推計される若い国であり、労働市場に新規に参入する人々のための仕事が公式(フォーマル)の労働市場では不足しているため、近年、非公式部門(インフォーマル・セクター)が急速に拡大しています。
 若年雇用は5月30日に開幕する今年のILO総会の主要議題の一つです。総会での討議に若者のアイデアと経験を反映させるために、ILOは3月の若年雇用月間及び5月23〜25日にジュネーブで開かれる若者の雇用フォーラムを通じて若者の意見を集めています。また、フェイスブック(http://www.facebook.com/youth.ilo)ツイッター(http://www.twitter.com/ilonews)といったソーシャル・メディア・ネットワークを通じても仕事の危機に関する若者の声の共有を図っています。

 ILOトップ選挙戦立候補届出締切で候補者は9人英語原文
    2012年3月12日(月)発表ILO/12/11

 去る3月9日、ILO事務局長選挙の立候補届出が締め切られ、9人の候補者が出揃いました。各候補者の略歴と所信表明文書はILOのウェブサイトでご覧になれます。
 事務局長の任期は5年間で、理事会による選挙で選出されます。投票日は2012年5月28日です。それに先立つ3月30〜31日には理事会で候補者のヒアリングが実施されます。
 今回の選挙はフアン・ソマビア現ILO事務局長が一身上の都合から2014年3月までの3期目の任期を切り上げて今年9月30日で退任する意向を表明したことを受けて行われます。
 ILOの執行機関として政策事項の決定を担う理事会は、政府側正理事28人、労使正理事各側14人、計56人で構成されています。理事の任期は3年で、総会出席者による選挙で選出されますが、政府側理事については、日本を含む十大産業国が常任理事になっています。現在、社団法人日本経済団体連合会(経団連)の松井博志国際協力本部副本部長が使用者側、日本労働組合総連合会(連合)の桜田高明国際顧問が労働者側の正理事を務めており、日本からは政労使三者の理事が出ています。

 若者のディーセント・ワークに関するILO動画コンクールを実施英語原文
    2012年3月8日(木)発表ILO/12/10

 若年雇用は5月30日に開幕する今年のILO総会の主要議題の一つですが、ILOでは総会に先立つ5月23〜25日にジュネーブで開かれるILO若者雇用フォーラムで上映される若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する動画を若者(応募資格:18〜29歳)から募るオンライン・コンクールを開始しました。
 若者雇用フォーラムには若者のディーセント・ワークの促進に従事している100人以上の若者が世界中から集い、現下の雇用情勢に関する見解や自分たちの経験を共有し、若者により多くのより良い仕事を創出する上で成功を収めているイニシアチブについて話し合いを行います。
 募集している動画は、世界的な雇用危機が自分自身や友人、家族、地域社会にどんな影響を与えているかを示すオリジナル作品です。労働市場への移行に際して経験している問題、職を失った経験、求職活動の苦労、従事している仕事の劣悪な労働条件などの経験談を示し、どうすればこの状況を解決できるかイノベーションと創造性に満ちた見解を披露することが望まれます。
 応募要項は以下の通りです。

 若者の仕事の危機に関し、世界規模で若者との協議を実施−ILO英語原文
    2012年3月2日(金)発表ILO/12/9

 若年雇用は5月30日に開幕する今年のILO総会の主要議題の一つですが、総会での討議に若者のアイデアと経験を反映させるために、ILOは3月を「若年雇用月間」として、ベイルートからバンコク、リマからルサカにわたり、世界約45カ国で警戒水準にある若者の雇用状況について若者の意見を聴くイベントを開催しています。国内協議会を受けて5月にはジュネーブで世界各地の労使団体、若者団体の代表約100人が出席する大規模な若者フォーラムが開催され、ここで取り上げられた主な事項は総会で発表されます。
 日本でも2月に開かれた世界社会正義の日のイベントの中で、日本の雇用と課題について若年労使代表、就職活動中の学生に語ってもらう特別パネルディスカッションを行いました。
 現実のイベントに加え、ツイッター(http://www.twitter.com/ilonews)フェイスブック(http://www.facebook.com/youth.ilo)といったソーシャル・メディア・ネットワークを用いた若者との意見交換も展開しています。既に、例えば、若者が何年にもわたって権力にある人々から見過ごされてきた事実を指摘するスウェーデンの若者や、若者が自分で企業を始め、維持できる機会の形成が失業をなくす一つの道と唱えるインドのフェイスブック利用者など、世界各地から意見が寄せられています。「若者はどう考える?」と題するフェイスブックのコミュニティーでは若者の起業家精神から学校から仕事への移行まで、幅広い問題が議論されています。
 現在、世界全体で7,500万人の若者が失業しており、1億5,000万人を超える若者が1日1.25ドル未満で暮らしていると推計されます。この状況は「失われた世代」を形成するリスクがあり、社会の結束を脅かすとILOでは警告しています。

2012年2月発表分

 若者の仕事の危機は社会の結束を脅かすと警告し、若者により多くのより良い仕事を、と呼びかけるILO英語原文
    2012年2月27日(月)発表ILO/12/8

 2月27日に、国連経済社会理事会(ECOSOC)の特別イベントとして、国連経済社会局(UNDESA)とILOで共催してニューヨークの国連本部で開かれた若者の雇用に関するイベントに出席したホセ・マヌエル・サラサール=シリナチスILO雇用総局長は若者の雇用危機の深刻化による「失われた世代」のリスクを警告すると共に若者により多くのより良い仕事を創出することに向けた新たなパートナーシップ及びその強化を呼びかけました。
 ILO憲章が掲げる「一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である」との原則は「一部の若年失業は、全体の繁栄にとって危険である」と言い換えられるとして、サラサール総局長は、若者の失業者は世界全体で7,500万人、働く貧困層(ワーキング・プア)は1億5,000万人超と推計され、その上、数百万人が就労も就学もしていない状態は社会にとって人的資源の巨大な浪費であるだけでなく、社会の結束を危険にさらすものでもあると訴えました。そして、就労も就学もしていない状態と暴力及び犯罪のリスクとの強い関連性を見出した最近の中南米の研究を引用し、社会的に排除された若者は物質乱用、犯罪、暴力、ギャングへの参加、薬物取引といった危険な行動様式その他社会の結束と平和を脅かすような脅威に従事する可能性が高いとし、新たなパートナーシップによる取り組みを求め、最も成功を収めているイニシアチブは民間部門、政府、市民団体の精巧なパートナーシップと協力体制、さらにインセンティブ、規則、資金拠出、リーダーシップのユニークな組み合わせに依存していることを示しました。総局長は、若者により多くのより良い仕事を創出するために企業、労働組合、政府が講じ得る具体的な措置として、技能のミスマッチへの取り組み、政府が後援する見習い研修やオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)プログラムの促進、開業資金や投資家ネットワークへのアクセス円滑化などを提案しました。また、ビジネス社会は若者の雇用問題に取り組むあらゆる理由があるとした上で、企業社会特有の理由として、職場に新技術を導入し、生産性を高める若年労働者の高い可能性や工場周辺の高い若年失業率や不完全就業率が操業コストを高める可能性などを指摘しました。
 若年雇用は今年のILOの最優先事項であり、5月30日に開幕する今年の総会の主要議題の一つでもあります。総会での議論に資するものとして、ILOは3月に世界約45カ国で若者の声を聴くイベントを開催し、5月にはジュネーブで大規模な若年雇用フォーラムを開きます。
 「新たな領域の開拓:若者のより多くのより良い仕事のためのパートナーシップ」と題するニューヨークのイベントは、今年7月に開かれる国連経済社会理事会における「ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けたあらゆるレベルにおける包摂的かつ持続可能で公平な経済成長の文脈における貧困根絶のための生産的な能力、雇用、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進」に関する年次閣僚級レビューの準備活動の一環として開かれました。

 金融危機の開始以来、欧州の職場では不平等が相当に増加−ILO新刊英語原文
    2012年2月23日(木)発表ILO/12/7

 このたび発行されたILOの新刊書『Work inequalities in the crisis: Evidence from Europe(危機時における仕事の世界の不平等:欧州からの証拠・英語概要)』は、欧州30カ国のデータと専門家による14カ国の国別研究をもとに労働条件、賃金・所得、雇用、男女平等などの職場関連事項を分析し、欧州では今回の世界経済危機の結果、職場における不平等が相当に増加し、緊縮措置や労働改革を導入する国が増える中、状況は継続するであろうことを示しています。企業レベルでの様々な種類の労働者とそれぞれに直接関係する業務分野で見た危機のミクロ経済的影響というこれまであまり文書化されてこなかった側面に光を当てた本書の中心的なメッセージは、「仕事の世界の不平等は経済危機の発生に寄与しただけでなく、危機の影響で不平等がひたすら悪化した」ということであると本書の編者であるダニエル・ボーン=ホワイトヘッドILO特別顧問(賃金政策担当)は指摘し、「したがって、この決定的に重要な問題に適切に対処しない限り、経済体系一般の危機的状況は継続するだろう」と警告しています。
 報告書は、臨時契約の労働者が雇用削減の影響を大いに受け、一種の雇用調整弁として用いられている事実を明らかにしています。例えば、20年近く臨時契約に大いに依存してきたスペインでは景気低迷に対する抵抗力が弱まり、危機を受けて雇用が急減し(仕事を失った人の9割が臨時労働者)、貧困リスクが2011年に21.8%(2009年比2ポイント増)に達するなど、外部柔軟性による調整に頼るところが大きかった国では、雇用面で深刻な困難に直面していることを示しています。この他に明らかになった事項には次のようなものがあります。  報告書はまた、1)短時間労働制の拡充などによっても達成された「ドイツの奇跡」と呼ばれる危機に際して失業を低く抑えた調整策、2)若者の仕事の維持や訓練従事を助ける特別措置を設けたスウェーデン、3)危機が即時に失業につながることを制限する助けになったイタリアの「カッサ・インテグラツィオネ」と呼ばれる補助金付きの一時的な短時間労働・一時解雇制など、危機の影響に対処するために政府が実行している最善事例を紹介すると共に建設や自動車など困難な状況に陥っている部門を支える、公的支出に支援された産業政策の効率性を強調しています。さらに、ドイツやフランスの経験と対比して、賃金交渉が限定的なバルト3国などでは雇用削減と賃下げの両方が即時に相当規模で見られたことを挙げ、全般的な一時解雇に代わる賃下げや労働時間短縮などの代案を交渉する上で社会対話が果たす重要な役割を示しています。
 報告書は一方で、スペインにおける最低賃金の凍結や社会的保護水準の切り下げ、フランスにおける短時間労働制度増大の決定、多くの国における賃金のさらなる抑制と低賃金部門の増加など、2012年に予定されている競争力引き上げに向けた労働市場の新たな改革が不平等の増大に直接寄与し、将来的な危機に対して脆弱な人々が増大する可能性を指摘しています。そして、例えば、企業における訓練支出の削減と国が資金を拠出する訓練計画の縮小の組み合わせが長期的に否定的な影響をもたらすことなどを指摘して、危機が長期的に、欧州で達成された仕事の質と労働条件の向上に向けた進歩を中断させる可能性を警告し、これが「すべての政策策定者及び経済主体が、財政強化の時期でさえ、不平等に対する戦いをその政策課題の中核に据え、仕事の世界における不平等に取り組む一連の政策を開発する」動機になることへの期待を表明しています。

 2012年世界社会正義の日:「社会正義の新時代」に向けた誓いを呼びかけるソマビア事務局長英語原文
    2012年2月20日(月)発表ILO/12/6

 2012年の世界社会正義の日(2月20日)に際して発表したメッセージの中で、フアン・ソマビアILO事務局長は、「あまりにも多くの人々、経済、社会が、負け組に取り残される道を進むよう操作されているとの思いが広がっている」と警鐘を発し、社会正義の新たな時代に向かうことへの公約を呼びかけました。事務局長はさらに、今日、世界各地で見られる民衆の抗議の根本原因は様々であるかもしれないが、全体的なメッセージは同じ一つの「尊厳と正義の探求」であると指摘しました。
 その上で、世界全体で労働者の3人に1人が失業しているか、貧しい暮らしを送っていること、7,500万人の若者が仕事に就いておらず、就ける見込みも小さいこと、安全でなくしばしば非人間的な状況下で懸命に働く人々が多数存在すること、世界人口の半分以上が社会保障によって保護されていないこと、仕事における基本的な自由が幅広く欠如し、児童労働、強制労働、差別が生み出されていること、実効的な発言力と代表性が欠如していることといった状況を列挙し、金融の規制緩和と世界貿易の自由化というグローバル化の主たる推進要素が危機に瀕している中でますます非効率性を強めるグローバル化を映す鏡としての仕事の世界の現状を示しました。そして、このような状況下では、「社会正義を伴った経済進歩を生み出すための新たな思考と創造性」が要請され、その対応において仕事の世界は大きな位置を占めるべきと強調し、1)今後10年間に世界経済が直面する6億人分の雇用創出という課題に対処するための雇用指向型政策を実行する必要性、2)今ある不平等を縮小し、仕事の尊厳を再評価する必要性、3)ILO憲章の根本原則である対話、協力、合意形成が今日の世界で果たすべき役割の増大に光を当てるような、世界的な民衆運動の高まりとその影響への対応、4)金融部門を実体経済の役に立たせ、「一部の銀行は倒産させるには大き過ぎ、一部の人々は気にかけるには小さ過ぎる」といった考えをもはや容認してはならないことを訴えました。事務局長は欧州で高まる社会正義の負債についても懸念を表明し、欧州の理想である人間の基本的な価値を尊重する方向に前進する道が見出されることへの希望を述べました。
 ソマビア事務局長は最後に、「世界には二つの選択肢」があるとして、「危機をもたらしている政策を適用し続けて、極度の貧困がなくなるまで、現行速度で言うとあと最低88年間待ち続けるか、それとも社会正義の新たな時代の中で経済効率、持続可能性、すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を提供できるような、人類の尊厳を基礎とした社会と成長のビジョンを構築し、それを実現し始めるか」のどちらにすべきか迫りました。
 世界社会正義の日に際して、ILOは世界各地の若者の社会正義に関する声を集めた動画を作成してYouTube上で公開し、Facebookを通じて感想を募る1年間のキャンペーンを開始しました。また、社会正義を希求してきたILOの約1世紀にわたる歴史と事実について、遊びながら学べるILO一世紀オンライン・ゲームを開発しました。

 障害者の権利国連新設基金でILO積極的な役割を演じる英語原文
    2012年2月17日(金)発表ILO/12/5

 ILOは、障害者の権利の促進と障害者に対するサービスの提供、関連政策・データ収集の改善に向けて各国を支援することを目指して昨年12月8日に正式に発足した「障害者の権利促進に向けた国連パートナーシップ信託基金(UNPRPD・仮訳)」の実行において積極的な役割を演じることになりました。障害者の権利の促進と保護における豊富な専門知識・経験を有する、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連経済社会局(UNDESA)、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、ILO、世界保健機関(WHO)の6国連機関によって設けられたUNPRPDは、障害者に代わって国連機関全体にわたる活動の拡充を図ります。この分野における国際協力の増進を目標の一つに掲げる国連障害者権利条約に沿って、政府と障害者を代表する団体との対話を円滑化することによって、差別と疎外に取り組む各国の活動の増進を目指します。
 UNDPのマルチ・パートナー信託基金(MPTF)室が管理するUNPRPD信託基金には既にオーストラリア政府が200万ドルの任意拠出を行っています。この他に、フィンランド政府、ブラジル国サンパウロ市ほか複数の政府が拠出を公約しています。基金は地球規模及び各国レベルで事業助成を行いますが、今年4月に第1回目の助成申請の受付を開始する予定です。ILOはUNPRPDの政策理事会及び運営委員会の一員として助成申請事業の審査に加わります。
 WHOと世界銀行の発行する『World report on disability(障害に関する世界報告書)』によれば、世界人口の約15%に相当する10億人以上が何らかの障害を抱えていると推定されます。このパートナーシップはILOが既に国連障害者権利条約の機関間支援グループを通じて達成した活動を基礎として、他の国連機関と国際・国内レベルで協力し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けた障害者の権利を促進する絶好の機会を提供することが期待されます。

2012年1月発表分

 ソマビア事務局長、ダボスで若年雇用を強調英語原文
    2012年1月27日(金)発表ILO/12/4

 1月25〜29日にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会の一環として1月26日に開かれた「失われた世代の回避」と題するパネル討議に参加したフアン・ソマビアILO事務局長は、世界全体で約7,500万人と推計される15〜24歳の若年失業者のために包摂的で仕事を豊かに生む成長を促進する新たな政策パラダイムの必要性を訴えました。世界の失業者の10人中4人が若者と、若者の雇用危機は空前の耐え難い状況にまで達していますが、事務局長はこの背景にある主な推進力は全世界的なそして時には国内的な総需要の低迷にあるとして、今こそ、やがて消費を支え、需要を押し上げ、成長を促進し、より多くの仕事を創出することになるであろう若者の雇用を促進する戦略に注力することを求めました。さらに、中小企業による若者の採用を制約している一番の要因は信用機会の欠如であるとした上で、これは政府のみならず企業と民間部門の課題でもあるとしています。
 また、ダボス会議に出席している複数の最高経営責任者が高い失業水準にもかかわらず必要な人材を見つけるのに苦労していると語っていることを挙げ、特に危機の時代における教育訓練の決定的に重要な役割に言及し、政府は民間部門と密接に協力して技能のミスマッチを低減するよう努めることを求めました。そして、ドイツやオーストリアなどのように学校教育と企業内訓練を組み合わせた二元的見習い実習制度を技能のマッチングを図る成功例として紹介しました。
 事務局長はまた、採用助成金、訓練・再訓練補助金、仕事への移行を円滑化するサービスなど、若年雇用を促進する多様なインセンティブの提供、若者の起業家精神の促進、官民雇用サービス機関のパートナーシップなどの必要性を強調しました。さらに、不便な経済の生産性を引き上げる小規模基盤構造を形成しつつ、貧しい若者に雇用と社会的保護を提供する上でその効果が立証されているインドのNREGA(国家農村雇用保障法)や南アフリカなどの拡大公共事業計画などの最近見られる革新的な公共雇用計画の例を紹介しました。
 ソマビア事務局長は世界中で若年労働者が現行パラダイムに対する信頼を失っている状況を示して、過去数カ月の間に82カ国約1,000都市で展開された若者の抗議運動の前面に立つのは、一方ではまともな仕事、社会正義、尊厳を求めるニーズ、もう一方では不平等と強欲に対する怒りであるとして、これが政治と社会の不安定性を増す可能性を指摘して、現行政策を改革する真の変革の必要性を訴えました。

 ILO『世界の雇用情勢2012年版』世界は6億人分の仕事という課題に直面と警告英語原文日本語訳

 1月23日に発表されたILOの年次刊行物『Global employment trends(世界の雇用情勢・英語)』の2012年版は、持続可能な成長を生み、社会の結束を維持するには、世界は今後10年で、現在の失業者数2億人に加えて毎年推計4,000万人の労働力の伸びに対処するために6億人分の生産的な雇用機会を創り出すという「緊急の課題」に直面していると記しています。また、働く貧困層(ワーキング・プア)の減少速度は近年著しく低下し、途上国を中心に1日2ドルの貧困線を下回る暮らしを送っている推計9億人(危機前の傾向に基づく予測値を約5,500万人上回る)の労働者に人間らしい仕事を創出する課題も存在します。フアン・ソマビアILO事務局長は、政府の精力的な努力にもかかわらず、雇用危機の勢いが衰えず、労働者の3人に1人に相当する世界全体で推計11億人が仕事がないか、貧しい暮らしを送っている現状を指摘して、「今必要なのは、実体経済における雇用創出を私たちの第一優先事項とすること」と訴えています。
 2009年に始まった景気回復は短命に終わり、2007年の危機開始前より失業者数は2,700万人増え、記録的な低下幅となった就業率(2007年61.2%→2010年60.2%)に示されるように雇用創出は不十分です。一方で労働力人口は危機前の傾向から予測される数を2,900万人近く下回っており、こういった主として仕事探しをあきらめて非労働力化したと思われる人数を算入すると失業者数は世界全体で2億2,500万人(現在の推計1億9,700万人)、失業率は6.9%(同6%)に上昇すると考えられます。報告書は三つのシナリオを用いて将来予測を行っていますが、最も基本的な線では、失業者数は2012年に300万人増えた後、2016年までに2億600万人に達すると予測しています。今年の世界の経済成長率が2%未満の場合は2012年の失業者数は基本線より約400万人増えて2億400万人に達し、一方、ユーロ債務危機が迅速に解決すれば世界の失業者数は2012年に基本線より約100万人減ると見ています。
 若者が失業する可能性はより年長の人々の3倍近くに達し、若者(15〜24歳)の失業率は2011年に危機前の2007年より1ポイント高い12.7%となり(失業者数は2007年より400万人以上増えて7,480万人)、雇用危機の影響は依然として若者に最も厳しいものの、近い将来、状況が大幅に改善する望みはほとんどないと報告書は記しています。
 報告書が見出したこの他の主な事項には以下のようなものがあります。
 「仕事の危機の深刻化を予防」を副題に掲げる今年の報告書は雇用を伴った成長のための政策選択肢を示し、対象を定めた措置を用いて実体経済における雇用成長を支えることを求めています。同時に、公的支援措置の追加だけでは持続可能な回復を育むには不十分として、民間部門が世界の雇用創出のメインエンジンを再始動できるよう民間投資を妨げている不安や不確実性の低減に向け、調整を図って決然と行動することを政策策定者に求めています。また、需要低迷期におけるさらなる景気刺激策の重要性を指摘するとともに財政の持続可能性を危険にさらさずにこれを実行できる方法を示し、成長と雇用の展望を指導原則に、社会的に責任ある形で財政再建に取り組むことを呼びかけています。ソマビア事務局長は、「最新の数値は数百万人の働く人々とその家族が直面している排除の継続と不平等の拡大を反映している」として、「私たちがこの危機から回復するか否かは最終的に政府の政策がいかに効果的であるかにかかっており、政策が効果的になるのは、それが人々の暮らしに肯定的な影響を与える場合に限る」と唱えています。

 世界の雇用動向と仕事の危機に関するILO年次報告を来週発表英語原文
    2012年1月17日(火)発表ILO/12/2

 ILOはその雇用総局で作成している年次報告書『Global employment trends(世界の雇用情勢・英語)』の2012年版を1月23日(月)GMT23時1分(日本時間翌24日8時1分)に発表します。今年の報告書は「仕事の危機の深刻化を予防」を副題に、雇用、失業、働く貧困層(ワーキング・プア)、脆弱な就業者などといった労働市場に関する複数の指標について、世界全体及び地域別の最新の情報と予測を示しています。仕事の危機が依然として継続し、経済活動のさらなる悪化が見込まれる現状下で、報告書は、政策策定に携わる人々が今年直面するであろう新たな課題に照らし合わせた政策考慮事項を複数提示しています。
 1月23日午前10時には、ジュネーブの国連欧州本部で、ホセ・マヌエル・サラサール=シリナチス雇用総局長らが出席する記者会見が開かれます。
 報告書は解禁時間以降にILOのウェブサイトで公開されます。

 新刊『労働パノラマ2011年版』:中南米・カリブの都市失業率低下続く英語原文
    2012年1月13日(金)発表ILO/12/1

 ILO中南米・カリブ総局が1月13日に発表した年次報告書『Panorama laboral(労働パノラマ・西語)』2011年版は、中南米・カリブ地域の都市失業率が2011年も下がり続け、6.8%と、現行算定方式を用いるようになった1990年以降最も低い水準を記録したことを示しています。男女別で見ると男性の失業率は5.9%であったのに対し、女性は8.3%でした。2012年については、地域の経済成長の減速が予想される中、6.8%に留まると予想されます。2010年に55.2%であった就業率は2011年に55.7%に上昇したのに対し、労働力率は59.9%(2010年59.8%)とほとんど変化はありませんでした。実質最低賃金は前年比4.5%の強い伸びを示しました。
 報告書はまた、14.9%と全体の失業率の2倍以上の数値を示す若者の失業問題、都市住民の最低でも50%、16カ国合計で9,300万人に上る人々が就業している巨大なインフォーマル経済、都市労働者の10人中4人が医療保険にカバーされていないなどといった低い社会保障適用率等の問題に取り組み、雇用を通じて農村の貧困問題に立ち向かう必要性も提起しています。
 報告書の発表に際し、エリサベト・ティノコILO中南米・カリブ総局長は、近年見られる失業率の低下を基礎として、この地域がより多くの雇用のみならず、より質の高い雇用を生み出す労働市場に向けて、もっと決然と前進することを求めました。そして、失業率の数字の裏には、仕事を見つけられない1,540万人の人々が存在することを強調した上で、雇用をマクロ経済政策の優先目標に据えることの重要性を説き、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の創出は経済成長に必要不可欠な要素であるだけでなく、貧困と不平等に対する闘いにおいても比類なきツールであることを訴えました。

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駐日事務所記者発表

 日本とILOが新規パートナーシップを開始:ケニアにおける持続可能な開発のための若年雇用
    2012年4月5日(木)発表

 ILOと日本政府、アジアの社会的保護を促進する合意書に署名
    2011年6月15日(水)発表

 自動車産業における経済危機の影響に関するILOアジア地域ワークショップ
    2009年12月9日(水)発表

 ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会(CEART)実情調査団の来日
    2008年4月18日(金)発表

 労働災害及び職業病の予防に向けて:日本がILO第187号条約の最初の批准国に
    2007年7月24日(火)発表

 イオン株式会社よりILOの児童労働撤廃活動に100万円の寄付金
    2007年2月13日(火)発表

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お知らせ

 児童労働反対世界デー・イベント:演劇上演会&シンポジウム(東京・2012年6月10日)

 児童労働ネットワーク(CL−Net)は、6月12日の児童労働反対世界デーに合わせ、こどもの日の5月5日から6月いっぱいにわたる児童労働反対世界デーキャンペーン2012を展開し、全国各地で様々なイベントを実施しています。この一環として、6月10日(日)13時30分〜17時20分に文教学院大学仁愛ホール(東京・文京区)において、ILO駐日事務所も共催団体となって、「ぼくは5歳で兵士になった〜元子ども兵士が語る最悪の児童労働〜」と題するイベントが開かれます。子ども兵士のお芝居、コンゴの元子ども兵士による基調講演に加え、専門家によるパネルディスカッション、上岡恵子ILO駐日代表による世界の児童労働に関する現状報告が行われます。参加費:一般1,000円/大学生500円/高校生以下無料。定員:500名。申込締切:6月6日(先着順)。詳細・お申し込みは、児童労働反対世界デーキャンペーン2012サイトまで。
[2012年5月11日掲載]



 新着:ILO図書日本語版

 最近刊行されたILO図書日本語版には以下のようなものがあります。お問い合わせ・お申し込みはお近くの書店または直接各出版元へお願いします。  この他のILO図書日本語版のリストはこちらでご覧になれます。
[2012年3月15日更新]



 新着:広報誌「ワールド・オブ・ワーク」最新号(2011年第2号)

 ジュネーブのILO本部コミュニケーション・広報局より年3回発行されている広報誌の一部記事の和訳と日本における関連記事を掲載した日本語版広報誌の最新号(通巻16号)が完成しました。本号では、2011年に100回目を迎えたILO総会を特集し、その歴史を振り返ると共に第100回ILO総会の議題と成果を紹介しています。2011年12月に京都で開かれた第15回アジア太平洋地域会議のまとめと政労使会議参加者の声も掲載しています。他に、ILOコープアフリカの主催で訪日したアフリカの協同組合リーダー育成研修の模様や9月に東京で開かれたBSR/ILO共催シンポジウム「CSR基本課題−国内および海外における労働問題」に関する記事も含まれています。最新号をご覧になりたい方はこちらへ(PDF版・8.01MB)。印刷版をご希望の方は、ILO駐日事務所(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail: ilo-tokyo@ilotokyo.jp)までご相談下さい。
[2012年3月7日掲載]



 新着:2011年総会関連文書日本語版

 2011年に開かれた第100回ILO総会(ジュネーブ)に関連する以下の文書の日本語版を掲載しました。

[2011年10月18日掲載]



 2011年労働安全衛生世界デー(4月28日)

 ILOは4月28日を労働安全衛生世界デーとして労働災害と職業病の予防の大切さについて世界の意識を高める日としています。2011年の世界デーは「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」をテーマに、労働災害予防に向けたこの継続的な改善のためのツールに注意を喚起しています。ILO駐日事務所では、世界デー関連情報と共に3月11日に発生した東日本大震災を受け、災害対応・復旧活動における労働安全衛生に関する情報を集めたポータル・ページを新設しました。
[2011年4月27日掲載]



 新着:KILMデータ利用方法解説書

 1999年から出されているILOの統計資料「主要労働市場指標(KILM)」は、労働市場の理解を深め、政策策定に役立てることを目的に、労働力、雇用、労働時間、失業、賃金、労働生産性、所得分布など20の指標を通じて、世界約230の国・地域の統計データを提示しています。印刷刊行物に加え、CD−ROM版、オンライン・データベース、ダウンロード用ソフトウェアの形態で配布されています。このたび、日本語によるKILMデータ入手方法解説書を新たに作成しました。1.書籍・CD−ROM版解説書(PDF版・2.74MB)、2.ILOホームページからのオンライン版・ソフトウェア版のダウンロード方法(PDF版・2.14MB)
[2011年2月10日掲載]



 新着:ILO職員インタビューを掲載−国際協力キャリア総合情報サイトPARTNER

 国際協力分野におけるキャリア情報の提供を目的として独立行政法人国際協力機構(JICA)国際協力人材センターが管理・運営する国際協力キャリア総合情報サイトPARTNERには採用担当者と採用された人へのインタビュー・コーナーがありますが、今回、この第11回として長谷川ILO駐日代表、第12回としてILO東南アジア・太平洋準地域事務所の中山順子テクニカルオフィサーへのインタビュー記事が掲載されました。インタビュー本文はこちらへ:長谷川ILO駐日代表中山順子テクニカルオフィサー
[2010年5月19日掲載]


 フィジーのゴミ処理問題でILOとJICA協力

 ILOは独立行政法人国際協力機構(JICA)がフィジーの「ごみ処理問題」解決に向けて2008年10月から実施している「廃棄物減量化・資源化プロジェクト」(〜2012年3月)に参加型労働安全衛生活動の分野で協力しています。去る3月4〜5日に現地で開かれた「労働安全衛生に関するワークショップ」の模様がJICAのホームページに掲載されました。
[2010年4月6日掲載]



 2010年3月4日付ILO/FAO共同記者発表:ILO/FAO共同プロジェクト「フィリピンにおける平和、安全、ディーセント・ワークの育成」開始

 日本の主導により国連に設置された信託基金である人間の安全保障基金を通じて、日本から256万3,395.30ドル(約2億6,403万円)の支援を受けた「フィリピンの紛争地域(ボンドック半島)における地域開発を通じた平和、安全、適正な雇用の育成共同事業」が3月から3年間の予定で活動を開始しました。ILOが国連食糧農業機関(FAO)と共同で実施するこのプロジェクトは、共産主義勢力の活動の影響を受けて開発援助が限られており、現地の人々の人間の安全保障が脅かされている紛争地域において、農業及び漁業の分野における、必要な物資(高品質の種子、肥料、家畜等)及び技術の提供、代替的な非農業分野の生活支援によるより良い収入源の提供などの活動を通じて、貧困、低開発、紛争の問題に分野横断的かつ包括的なアプローチを通じて取り組み、人間の安全保障上の脅威に対処することを目指しています。記者発表英語原文日本語訳文2010年4月8日発追加記者発表日本語訳文
[2010年6月1日更新]



 広報資料無料配布中

 ILO駐日事務所では現在、下記広報資料を無料で配布しています。ご希望の方は、お名前、郵送先住所、お電話番号、希望広報資料名、希望部数を明記の上、ILO駐日事務所(メール:ilo-tokyo@ilotokyo.jpまたはFAX:03−5467−2700)までお申し込みください(なお、発行部数により、部数のご要望には沿えない場合もございますので、あらかじめご了承ください)。
[2010年2月1日掲載]



 新着:2007年の漁業労働条約(第188号)及び同勧告(第199号)解説パンフレット

 漁業労働に関する包括的な国際基準である第188号条約第199号勧告について解説した英文小冊子「Decent working conditions, safety and social protection: Work in Fishing Convention No. 188 and Recommendation No. 199」の日本語版「ディーセントな労働条件、安全と社会的保護:漁業部門における労働に関する条約(第188号)及び漁業部門における労働に関する勧告(第199号)(PDF版・2.15MB)」を作成しました。印刷版(英語版もあり)をご希望の方は、ILO駐日事務所(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail: ilo-tokyo@ilotokyo.jp)までご相談下さい。
[2010年1月18日掲載]



 新着:2009年総会関連文書日本語版

 2009年に開かれた第98回ILO総会(ジュネーブ)に関連する以下の文書の日本語版を掲載しました。

[2010年1月6日掲載]



 新着:2008年総会関連文書日本語版新着−「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」日本語版

 2008年に開かれた第97回ILO総会(ジュネーブ)に関連する以下の文書の日本語版を作成しました。

[2010年1月6日更新]



 新着:グリーン・ジョブ報告書概要和訳

 ILOが国連環境計画(UNEP)、国際労働組合総連合(ITUC)、国際使用者連盟(IOE)と一緒に進めるグリーン・ジョブ構想の一環として、2008年9月に発表されたUNEPの刊行物「Green jobs: Towards decent work in a sustainable, low-carbon world(グリーン・ジョブ:持続可能な低炭素社会におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けて)」の概要和訳版(PDF版・13.3MB)を作成しました。
[2009年3月26日掲載]



 新着:広報パンフレット「The ILO at a glance/ILOのしごと」

 ILOの活動を紹介する広報資料が新しくなりました。英語版を「The ILO at a glance」と題するこの20ページのパンフレットは、現在日本語版(題名「ILOのしごと」・PDF版・5.9MB)など8カ国語で発行されています。印刷版をご希望の方は、ILO駐日事務所(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail: ilo-tokyo@ilotokyo.jp)までご相談下さい。
[2008年5月21日掲載]




 労働安全衛生世界デー

 ILOでは4月28日を「労働安全衛生世界デー」と定め、職場における安全・健康文化の促進に人々の関心を喚起する日としています。2008年の世界デーのスローガンは「私の暮らし、私の仕事、私の安全な仕事:職場環境におけるリスク管理」となっています。今年の世界デーに際して発表された報告書「マイライフ、マイワーク、マイ・セーフ・ワーク:職場のリスクを管理する」の日本労働組合総連合会による日本語訳(12.0MB)を掲載しました(英語版はこちらへ)。
 また、2007年の世界デーに際してILO駐日事務所で開催したフォーラム「グローバル化と労働安全衛生:ILO新条約(第187号)が日本とアジアの職場環境改善にもたらす意味」の報告書(7.0MB)も新たに掲載しました。
[2008年4月17日掲載]



 新刊:ディーセント・ワークへの障害者の権利−日本語版

 2007年の国際障害者デー(12月3日)のテーマは「障害者のためのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」でした。ILOがこの日に合わせて発表した報告書「The right to decent work of persons with disabilities」の日本語版「ディーセント・ワークへの障害者の権利」(PDF版・3.2MB)を新たに掲載しました。印刷版(2,000円)のご注文はILO駐日事務所販売担当(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail: ilo-tokyo@ilotokyo.jp)まで。
[2008年3月27日掲載]



 新刊:仕事の世界におけるパターンの変化−日本語版

 2006年の第95回ILO総会に提出された事務局長報告「Changing patterns in the world of work」は世界の労働力の急増、サービス産業就業者数の増大、インフォーマル経済の成長、労働市場における柔軟性と安全保障を求める圧力の増大、国際労働力移動の拡大など、労働市場の今日的な変化の動向をまとめたものとなっています。ILO駐日事務所ではこの度、同書の日本語版を作成し、ご希望の方に有料(2,000円+郵送料)で配布しています。購入ご希望の方は、ILO駐日事務所販売担当までお申し込み下さい。PDF版(3.1MB)をご覧になる方はこちらへ。
[2007年10月18日掲載]



 日本がILO第187号条約の最初の批准国に

 日本は7月24日にジュネーブのILO本部で、2006年に採択された「職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)」の批准書を寄託し、同条約の最初の批准国となりました。第187号条約は、労働安全衛生の促進的な枠組みを定めたものです。日本がILO条約の最初の批准国となるのは今回が初めてです。本件に関する同日付記者発表は、こちらへ。
[2007年7月24日掲載]



 新刊:多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(第4版)

 多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言は1977年に採択された後、数度にわたって改訂されています。この度、2006年3月の第295回理事会で採択された改正分までを含んだ最新版(第4版)の日本語版を作成しました(英語その他各国語版はこちらへ)。
[2007年6月27日掲載]



 医療生協よりILOのジャワ島中部地震復興活動に100万円の義捐金

 去る2006年5月27日の地震で甚大な被害を受けたインドネシアのジャワ島中部において、ILOは同国アチェにおける2004年の津波・地震復興支援活動の経験と知見に基づき、建築基準に合った堅固な住宅再建を目指した建築技術の訓練を行っています。この災害に対する支援の一環として、日本生活協同組合連合会(日生協)医療部会より、会員組織である医療生協を通じて集められた104万8,278円の義捐金がILOに対して拠出されました。この義捐金は、ILOによるジョグジャカルタ州バンツール地区の診療施設の再建等に充てられる予定です。9月5日には、来日中のマリア・アンヘリカ・ドゥッチILO官房総局長、山下俊史日生協副会長、宮田育治日生協理事(郡山医療生協専務)などの出席を得て、ILO駐日事務所で義捐金授与式が行われました。9月1日付の記者発表本文はこちらへ。2007年2月に出されたプロジェクト中間報告概要はこちらへ。ジョグジャカルタの地震に対するILOの活動の詳細については、ILOインドネシア事務所のホームページ(http://www.ilo.org/jakarta)をご覧下さい。
[2007年2月23日更新]



 イオン株式会社よりILOの児童労働撤廃活動に100万円の寄付金

 イオン株式会社(千葉県)は、2006年10月に受賞した第3回「朝日企業市民賞」の副賞100万円を、ILOがタイ北部で実施する児童労働撤廃活動に寄付することを決定しました。寄付金はチェンライで、学校、地域社会における児童労働及び人身取引の危険性に関する啓蒙活動、弱い立場にある児童・若者が地元労働市場に技能を身につけて参入できることを目指した教育、訓練、キャリア開発活動に用いられる予定です。2月13日付の記者発表本文はこちらへ
[2007年2月22日掲載]

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最終更新日:2012年5月25日 作成者:EU 責任者:KK