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産業別の実態と取り組み <ストリートチルドレン>
路上で働く子どもたち | トルコの取り組み
 路上で働く子どもたち:ストリートチルドレン 

都市部の路上で働く子どもたちは、目に見える最大の児童労働者の集団を構成している。世界中の多くの国々に存在するにぎやかな都市部のインフォーマル経済で、人々は物を売り歩き、食べ物を準備してこれを売り、靴を磨き、街を掃除し、物乞いをし、ポーターや配達人として働き、あわただしい交差点で車のフロントガラスを洗い、リサイクルできる物をあさり、再販できそうなものをごみ箱や集積所で拾う。劣悪な仕事の環境や仕事に関わる危険が大きいことから、こうした活動の多くは、最悪の形態の児童労働について定めたILO第182号条約に照らして、できる限り迅速に撤廃しなければならない最悪の形態の児童労働とみなされる場合が多い。こうした子どもたちは、しばしば「ストリートチルドレン」と呼ばれ、買春や薬物取引などの違法な活動にも取り込まれている。こうした活動の危険性や、それらが引き起こす害悪は甚大で、これらは例外なく最悪の形態の児童労働であり、第182号条約で具体的にそのようなものとして挙げられている。

ストリートチルドレンが行う仕事は、国により異なる。それは、子どもたちに路上で働くことを選ばせる状況が違うのと同様である。ストリートチルドレンの中には家族と暮らす者もいるし、路上で暮らす子もいる。子どもたちは家族や他の非正規の会社やネットワークの一部として働いているのかもしれないし、一人かもしれない。ある国の路上での仕事は、社会的に疎外された民族集団によって組織化され、大家族ほどの規模である。家に住んでいる子どもたちは一般的に家族を支えるために働くか、小遣い稼ぎのためであるが、路上に住む子どもたちは生き抜くために働いている。後者は今のところ少数派だが、彼ら/彼女たちは最も危険な路上労働に陥りやすい弱い立場に置かれている。ストリートチルドレンが行う仕事の広範な多様性とその高い移動性は、彼ら/彼女たちに支援の手を差し伸べることの困難を助長している。

ストリートチルドレンに焦点を当てたIPECの活動事例
IPECは今日までに36カ国で、ストリートチルドレンを含んだ非正規経済で働く子どもたちを支援するための介入を支えてきた。
ロシア
3年にわたるIPECの成功プログラム「サンクトペテルブルクのストリートチルドレン:搾取から教育へ」は2003年1月に終了し、第2段階へ延長された。このプログラムは、ストリートチルドレンや元ストリートチルドレンとその家族を直接的に支援するために政府機関や地元NGOの能力を高めた。また、調査官や警察官の訓練、意識改革、コミュニティの活性化やサンクトペテルブルク地域の児童労働についての調査を含んでいた。同プログラムのもとで、IPECは政府と労働組合、使用者間の三者合意の締結に貢献し、それが最悪の形態の児童労働を撤廃するための行動の枠組みをなした。
バングラディシュ
IPECは現在、オランダ政府の拠出による資金でダッカとチタゴンの都市部インフォーマル経済における児童労働撤廃へ向けた4年計画を実施中である。このプロジェクトには4つの主要な構成要素がある。1)7800人の子どものための非正規教育や技術訓練、親や保護者への小額融資を含む社会保護;2)監視、検査、追跡;3)啓発と意識改革;4)能力構築。
IPEC緊急評価からの主要な発見
IPECはストリートチルドレンの問題を理解し、子どもたちを助けるための最善のプロジェクトをデザインするために、過去2年間にわたり、多くの国で緊急評価調査を行ってきた。その大部分は質的な調査で、手法はIPECとUNICEFによって開発されたものであり、限定された地理的範囲における具体的な児童労働の形態に関する実情を明らかにする。
エルサルバドルでは、路上で働く子どもたちの大部分は親や他の家族のメンバーとともに生活しており、路上で生活している子どもは2%未満である。キオスクや屋台で働く子どもたちは1日平均10-12時間働き、果物や野菜の皮むきをする子どもたちは、長いときには14時間働いている。
ネパールでは、平均12歳のくず拾いをする子どもたちが推計4000人いる。88%の子どもたちが男子である。半数以上の子どもたちは、路上か、廃材置き場、NGOによって提供されたシェルターで生活している。くず拾いをする子どもたちのほとんどは、丘陵や山間地域からの移民で、家族が土地を持たず、低賃金の非農業活動に従事している。
ルーマニアでは、調査対象となったほとんどの子どもたちが様々な種類の路上労働をしていたが、物乞いが最も多く(44%)、ついで車洗い(17%)、行商(15%)だった。物乞いの拡大は、他の国に比べて幼い子どもたちや女子が都市の非正規労働に従事していることを意味している。少女は調査対象の32%を占めた。62%の子どもたちが学校を中退していた。
タンザニアでは、子どもたちが非常に危険な状況でゴミあさりをしていた。多くの子どもたちが裸足で、また手袋や他の保護衣服を身につけていなかった。ダルエスサラームのアルーシャで聞き取りを受けた60%以上の子どもたちは、毎日働き、1日8時間以上働いている子どもたちもいたことが報告された。
トルコでは、聞き取りを受けたストリートチルドレンの多くは家族と暮らしており、一般的に再貧困層である。家族の規模は国内の平均よりも大きい。38%の子どもたちが退学したか、一度も学校に通っていない。
買春を除いて、路上の仕事は圧倒的に男子に関わっている。たとえば、トルコでは路上で働く子どもたちの圧倒的多数(90%)が男子である。ここでは、他の多くの国々と同じく、社会的規範が女子を家に閉じ込め、家事を手伝うように期待されている。また暴力や性的嫌がらせに対する脆弱性が、女子を路上労働から遠ざけている。タンザニアでは、再販できそうなものをあさっている子どもたちの圧倒的多数(88%)が男子である。エルサルバドルでは、子どもたちが路上の屋台で食べ物を用意し、売っており、ここでは多くの女子も従事している(37%)。
ストリートチルドレンが直面する危険は様々で深刻である。交通事故や車の排ガスの吸引、長時間労働による疲労、大人やストリートギャングによる暴力や薬物依存までも含む。路上やゴミ収集場でのゴミあさりは、最も有害な路上労働の一つである。子どもたちは壊れたガラスや錆びた釘、尖った金属片、注射器などのあらゆる危険な物にさらされ、また不衛生な環境から重大な病気(呼吸器疾患、中毒、できもの、疥癬、下痢)の危機にもある。
教育に対する親や子どもたちの消極的態度は、地元の学校の質が良くないからかもしれないが、それがまた子どもたちを路上労働へと押し出す重要な要因である。エチオピアでのIPEC調査では、ストリートチルドレンは経済的な困難だけではなく、そこに価値を見出していないために学校を中退している。こうした子どもたちはしばしばストリートギャングとともに過ごし、最後には薬物の使用や販売に関わっていく。
ILOの役割
ILOは、インンフォーマル経済を、特に子どもにとって、搾取の潜在的可能性をはらんだ雇用創出の源とみなしている。規制や労働法の枠外にあるインフォーマル経済は、児童労働、特にストリートチルドレンがはびこる環境をつくっている。それゆえ、先進国を含む世界中でインフォーマル経済が成長していることは、ILOと加盟国にとって、法律で定められた就業最低年齢以上の人々に社会的な保護と権利が保証された生産的な仕事を生み出す「ディーセント・ワークの課題」の前に立ちはだかる懸念であり、課題である。児童労働をなくすためには、いくつかのカギとなる取り組みが求められる。すなわち、成人に質のよい仕事を生み出すことによる貧困削減、質のよい教育へのアクセス改善、そして優良な統治と労働法の効果的な施行、である。
   
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最終更新日:2005年7月4日 作成者:NT/ACC 責任者:KO