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企業の社会的責任とディーセント・ワーク

東京、2004年7月21日

ILOフォーラム「企業の社会的責任とディーセント・ワーク」写真
左より堀内ILO駐日代表、キム氏(ILOテクニカルスペシャリスト)、栗山教授(創価大学)、梅田教授(麗澤大学)、千葉氏(厚生労働省)、讃井氏(経団連)、龍井氏(連合)

 去る7月21日、東京の国連大学本部(UNハウス)にて、「企業の社会的責任とディーセント・ワーク」と題するILOフォーラムが開催された。近年関心が高まりつつある企業の社会的責任(CSR)について、ILO専門家・学者・政労使からそれぞれ報告・コメントが行われ、参加者も含めて活発な議論が行われた。

 堀内ILO駐日事務所代表の司会で進められたフォーラムではまず、堀内代表がILOのCSRに関する取り組みを紹介し、続いてILO雇用総局多国籍企業プログラム・テクニカルスペシャリストのキー・ボーン・キム氏が、日本企業の取り組みについての来日調査結果を踏まえて報告した。キム氏は日本と世界でのCSRの歴史や最近の動向を踏まえた上で、日本企業の取り組み好事例を紹介した。キム氏はまた、日本企業は環境に対する取り組みは進んでいるが、雇用や労使関係等社会的側面には取り組みが進んでいないなど、イギリス・アメリカに比べバランスに欠けていることを指摘した。

 創価大学経営学部教授の栗山直樹氏は、1998年のILO宣言が明示した中核的国際労働基準等のILO基準のがもつ中心性・普遍性および基準遵守における自主性に言及し、CSRに関してILOが果たしている役割について述べた。また、ISOが社会的責任について国際標準規格作りに着手したことや、社会的責任投資(SRI)等の具体例を挙げながら、民間のCSRをめぐるイニシアティブについて報告した。

 麗澤大学外国語学部教授で、企業倫理研究センター副センター長の梅田徹氏は、国連のグローバル・コンパクトと日本企業の取り組みについて報告した。この中で梅田教授は国連がCSRの重要性を認識したことの重要性と、これが国連・企業・市民社会との間のパートナーシップの基礎となりうることを指摘した。

  厚生労働省の千葉登志雄氏は、労働におけるCSRのあり方に関する研究会(座長 谷本寛治一橋大学大学院教授)の中間報告をもとに、労働に関するCSRを検討する意義や背景、国の役割について説明した。

 経団連の讃井暢子氏は本年5月に改定された「企業行動憲章」について説明し、経団連のCSR促進の取り組みについて説明した。

 最後に連合からは龍井葉二氏が、ここ数年で大幅に増えた非正規雇用・間接雇用・外国人労働者が、企業のステークホルダーに含まれているのかなど、近年のCSR議論に対する疑問点を投げかけた。

 ILO専門家と研究者の発表、そしてILOを構成する政・労・使三者のコメント後の質疑応答では、他国の事例や日本のCSRの偏り等について質問がなされ、日本企業のCSRの今後のあり方を視野に入れた活発な議論がなされた。

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最終更新日:2004年8月11日 作成者:KC 責任者:MH